物件内覧時の殺人受け、「ミニミニ神奈川」で防犯研修会

物件内覧中の防犯上の注意点を伝えたオンライン研修会=横浜市港北区

 神奈川県警と不動産仲介業「ミニミニ神奈川」は25日、物件内覧時の防犯対策を学ぶオンライン形式の研修会を行った。県内29店舗の社員約60人が参加。県警犯罪抑止対策室の吉川裕介副室長が講師となり、無防備になりがちな閉鎖空間での防犯上の注意点を伝えた。

 昨年4月には横浜市旭区で、物件案内中の不動産仲介会社の女性が、内覧目的を装った男に刃物で刺されて重傷を負い、現金などを奪われる事件が発生。業界全体で、内覧時の防犯対策を再確認する動きが広がっている。

 研修会で吉川副室長は、可能な範囲で内覧希望者の身分確認を行うほか、▽防犯ブザーの携帯▽客と1対1にならないよう複数で対応▽現金や貴重品を所持しない▽内覧物件の出入り口を開放する-などの対策を伝えた。

 県警とミニミニ神奈川は共同で、内覧時に身分証の提示を求めるポスターも制作。各店舗での掲示を呼び掛けた。同社の植田慎輔営業部長は「物件案内中は事務所の社員と定期的に連絡を取るようにするとともに、複数で内覧に対応できるようにしたい」と話した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が再発令されており、県警は夜間時間帯を中心に強盗や窃盗事件に警戒を呼び掛けている。

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