【高校発みやざきSDGs】ー3ー宮崎大宮(下) 多様な出会いに学ぶ

今西猛さんのつくった原木マイタケを食べる生徒たち

 「早く行きたければ、1人で行け。遠くまで行きたければ、みんなで行け」というアフリカのことわざは、本校が進めている新しい学び「協創」の理念を表している。この学びは、地元や世界の多様な人々との出会いの中でテーマを発見し、チームで人間と自然の真善美を探究する。
 最も重要なのは、多様な人々との出会いに学ぶことであるが、コロナ禍で厳しい状況となった昨年は新たな出会いの形を模索した。夏の海外研修は渡航中止となったが、現地とオンラインで結んで国際協働プログラムを開始した。国際交流はもちろん、水を共通テーマに宮崎・高雄(台湾)・ハノイの課題を共有し、フィールドワークのオンライン配信などと共に探究の段階へと挑戦している。
 秋には、森林環境の保護とその利活用というテーマで、美郷町渡川地区の山師の今西猛さんとオンラインで対話した。大きな原木マイタケの株を実際に手にとり、生徒は香りや味わいを楽しみながら「故郷への思いに感銘を受けた」「食べてみて、マイタケの育った森を感じた」と語っていた。実際に訪れ、五感で体験することが1番であることは言うまでもない。しかし、このような状況下であっても地域や世界とつながり続けることができたのは大きな収穫だった。これらを生かし1月末には取り組みの成果をオンラインで発表する。多くの方々に支えられ、学校という存在が社会とつながることで、豊かな学びの場を構築していきたい。(教諭・木塲(こば)康典)
=日曜日掲載=

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