名物オーナーは「プーチンの盟友」 MF香川真司の新天地PAOKは至れり尽くせり? 

新天地をギリシャに決めたMF香川真司

元日本代表MF香川真司(31)が新天地で〝大物後見人〟を得た。スペイン2部サラゴサを退団後に移籍先を模索していた香川は、ギリシャ1部PAOKへの入団が決定的に。ギリシャから復活ののろしを上げることになったが、名物オーナーのイバン・サビディス氏(61)と獲得に動いたオラフ・レベ・スポーツディレクター(SD=41)が心強い味方となりそうだ。

香川獲得をめぐっては多くの動きがあったが、最終的に強豪国とは言えないギリシャ行きを決断。しかも同国で名門とされる〝アテネ3大クラブ〟ではないPAOKが新天地となった。

意外な決着となったが、PAOKは心機一転出直しを図る香川にとって理想的なクラブと言えるかもしれない。強力なサポート役がいるからだ。欧州事情に詳しい代理人は「オーナーは政財界の大物でサッカー界でも様々な所に顔が利くことで有名。SDもドイツでキャリアを重ねて香川の実力を間近で見ているし、信頼関係を築きやすいのでは」と指摘した。

PAOKのオーナーを務めるサビディス氏はギリシャ人ながらロシアに移り住み政治家として立身出世した人物。政界ではロシアのウラジミール・プーチン大統領(68)の会派に属して様々な要職を務め、現地メディアでは「プーチンの盟友」と称されている。実業家としても辣腕を発揮し、たばこ、食肉、農業、流通、メディアなど各業界の大手企業を所有し、米経済誌「フォーブス」で「世界で裕福なビジネスマン30人」に選ばれるなどまさに世界を股にかける重鎮だ。

2018年にはPAOKへの不利な判定に激高し、数人のボディーガードを引き連れて拳銃を持ってピッチに乱入するコワモテぶりも発揮。サッカー界でもその剛腕ぶりは有名でビッグクラブにも独自のコネクションがある。以前にはロシア1部ロストフのオーナーを務めたり、現在PAOKでセネガル代表DFムサ・ワゲ(22)をスペイン1部バルセロナからレンタル加入させたのはその一端。香川にとっては、今後再び移籍する際など将来を見据えると心強い存在だ。

また、ドイツ人のオラフSDは同国1部のドルトムントやブレーメンで実績を積み、ボルフスブルクで若くして強化部門トップのSDに就任。当時在籍していたMF長谷部誠(37=Eフランクフルト)と仕事をともにしたほか、ライバルチームから香川の全盛期のプレーを目の当たりにしている。その実力を誰よりも高く評価する最大の理解者と言えそうで、復活に向けて間近でサポートを受けることが期待できる。

ようやく所属クラブが決まった〝日本の元エース〟が、ピッチ外でも強力な援軍を得て力強く復活ロードを踏み出す。

© 株式会社東京スポーツ新聞社