阪神・矢野監督が今キャンプもコーチに宿題 〝スリルティー〟に続く名物練習生まれるか

今年もコーチに宿題を課した阪神・矢野監督

何ごともさじ加減が大事になりそうだ。就任3年目のキャンプへ向け、矢野燿大監督(52)は各担当コーチに〝宿題〟を課している。内容はキャンプでの追加メニューとして、選手の飽きやマンネリを未然に防止するようなユニークな練習法を考えて来てもらうというものだ。

昨年は打撃担当の井上一樹コーチ(49=現ヘッドコーチ)の発案でティー打撃中に突然、布袋寅泰の名曲「スリル」を球場BGMに流し、曲の終了まで休みなくボールを打ち続けなければならない通称「スリルティー」を振り込み&下半身強化メニューに導入。現地のファンだけなく、ネット視聴者からも好評を博した。そんな〝ユニーク練〟のアイデア募集は無観客キャンプとなった今年も昨年同様の熱気をお茶の間のファンに届けたいという指揮官の思いからだろう。

とはいえ、今年は昨年と同様のノリだけでは採用とはならないという。コロナ禍による〝社会情勢〟も当然のように加味しなければならないからだ。「『スリルティー』が話題になったころと今では、やっぱり世の中の事情が違うよ。飲食業の人など、職業でも半ば強制的に休業させられている職もあるなか、今年はプロ野球のキャンプ自体が『特別に』にやらせてもらっている感すらあるし、ファン受けよりも、より真剣味を伝えるような緊張感ある練習の雰囲気や表情を伝えるモノのほうが…」という意見も現場にはある。

矢野監督も「選手の身になって楽しくならないとダメ。楽しいが一番になり過ぎると違う方向に行く…」と当然、その部分においての留意点は心得ている。果たして指揮官の〝リクエスト〟に家臣たちは果たしてどんなアイデアで応えるか…。

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