「地下水上昇で斜面崩落」 轟峡遊歩道事故で検討委  諫早市

 諫早市高来町の轟(とどろき)峡遊歩道崩落事故の原因を調査する「令和2年7月豪雨に伴う轟峡法面(のりめん)崩壊等再発防止検討委員会」(委員長=蒋宇静(じゃんいじん)・長崎大大学院教授ら5人)が26日、市内で開かれた。事務局の市は「1982年の長崎大水害に匹敵する過去最大級の降水量と(現場近くの)地下水上昇が斜面崩落を誘発した」との見方を示した。
 3月中に開く最終検討委を経て、蒋委員長が宮本明雄市長に提言書を提出する。
 第4回検討委は非公開。市によると、崩落の発生原因と今後の対策方法を議論。市側は終了後、昨年7月の降雨量(千ミリ超)が記録が残る76年以降、過去最大級だった点を挙げ、「遊歩道そばの飲食店直下にある石積みと(飲食店の支柱を支える)コンクリートの擁壁が地下水上昇に伴う圧力で崩れ、周辺の斜面が崩れたとみられる」と説明した。
 事故は昨年7月25日、轟の滝に向かう遊歩道が崩落し、母子2人が死亡し、1人が重傷を負った。市は昨年9月末からボーリング調査や土質試験を実施した。

© 株式会社長崎新聞社