【クライミング】ジャパンカップ 前回王者・原田海がコロナ禍で苦悩「調子は万全ではない」

昨年優勝した原田海

スポーツクライミングの第16回ボルダリングジャパンカップ(30日開幕、駒沢)前日会見が29日にオンラインで行われ、昨年12月に東京五輪代表に決まった男子の原田海(21=日新火災)が、五輪に向けて大きな責任感を口にした。

昨年の同大会で初優勝を飾り、当然2連覇を期待される立場だが「今の状態や日本人の層の厚さでは無理だなと思っている。ワンミスで予選落ちする可能性もあるので心配」と弱気な発言。

昨年12月は休息に充てたため「(クライミングの)調子は万全ではないので、この状態でどれくらい力が発揮できるのか、今の状態を把握したい」と今大会の位置づけを語った。

昨年は新型コロナウイルスの影響をモロに受けて「(昨年の同大会を)優勝した時は調子もすごい良くてW杯は楽しみだったが、(コロナ禍で)大会はなく、海外に行くこともなかったので生きがいをなくし、精神的につらかった」と振り返った。

しかし、クライミングを純粋に楽しむことや五輪内定をモチベーションにして乗り越えることができ、今では「こうして時間がたって改めて、選考で選ばれなかった人たちのためにも、(五輪は)今まででベストな状態で臨みたい」ときっぱり。落選した有力選手の思いも背負って、五輪に挑む覚悟を見せた。

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