タイワンリスの捕獲が急増 樹木への食害や家屋被害が相次ぐ

 県内最南端の三浦市内で、外来生物であるタイワンリスの捕獲が急増している。樹木への食害や家屋の被害が相次ぎ、昨年12月には30匹以上を捕獲した。市は捕獲用のおりを貸し出して駆除に努めているが、生息数もかなり増えているとみられ、有効な対策は見つかっていない。

 タイワンリスはミカンなど農作物や庭木の食害に加え、家屋の戸袋をかじるなど生活被害を与える。

 市農産課によると、市内の捕獲数は昨年9月までは1桁台で推移していた。ところが同10月からの3カ月で前年同期の4.7倍に当たる71匹に急増。特に、12月はこれまでで最多の36匹を捕獲した。

 台湾が原産地のタイワンリスは特定外来生物に指定され、アライグマやハクビシンと同様に自治体が防除実施計画を策定すれば捕獲可能。常時設置しているおりで捕まることもあるが、最近は被害を受けた市民に市が貸し出して捕獲するケースが増えているという。住宅街で捕獲されることが多く、生息地が市内全域に広がっているようだ。

 県横須賀三浦地域県政総合センターによると、三浦市を除く三浦半島3市1町でも昨年10~12月の捕獲数は前年同期より1.2~1.7倍増えている。

 市の担当者は「相手は素早く移動する。三浦市だけでなく、三浦半島全域で取り組まないと効果は上がらない」と対応に苦慮している。

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