横浜市予算案、消防力強化へ40億円計上 新艇建造や庁舎建て替え

更新を控えている消防艇「まもり」=横浜港

 相次ぐ災害から市民を守ろうと、横浜市は消防艇の建造や消防本部庁舎の建て替え、消防団員の報酬引き上げなどの費用約40億2400万円を2021年度当初予算案に盛り込んだ。ハード・ソフトの両面から消防力の強化を図る考えで、市消防局の担当者は「優先度や緊急性を勘案して編成した。安心・安全が実感できる都市を目指す」と話している。

 同局によると、市消防局は1989年に竣工(しゅんこう)した消防艇「まもり」(66トン)を更新するため、20年度から2カ年計画で建造事業に着手。来年1月ごろの運用開始を目指している。

 更新艇は49トンと一回り小さくなるが、石油コンビナート火災や船舶火災、水難救助での出動、緊急消防援助隊として派遣などを想定する。定員は現状の29人を維持し、最大速力は17ノット以上となるよう設計した。

 石油コンビナートなどの大規模火災では大量の放水が必要となるため、現行艇と同じ1万5千リットル放水砲を2基装備。加えて自動放水銃4基や陸上の消防車に給水するための大口径送水口、水難救助時に機動力を発揮する小型救助艇を新たに搭載する。建造費用は約9億6300万円を見込む。

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