横浜市、花博推進へ 上瀬谷跡地整備費34億円

横浜市役所

 2027年に上瀬谷通信施設跡地(横浜市旭・瀬谷区、約242ヘクタール)で開催を目指す国際園芸博覧会(花博)を巡り、市が跡地整備費として、前年度当初比約50%増の計約33億9400万円を21年度当初予算案に計上していたことが20日、市関係者への取材で分かった。新たに「企業版ふるさと納税」も創設し、地域貢献の一環として市内外の企業に支援を呼び掛ける。

 市関係者によると、21年度は土地利用の転換に向けて事業計画案の作成や実施設計に着手するほか、花博開催までの導入に意欲を示している新交通「(仮称)都市高速鉄道上瀬谷ライン」や周辺道路の詳細設計を進める。

 さらに市は、花博の推進に向けて約6億7800万円を21年度当初予算案に計上。博覧会協会(仮称)を設立し、会場計画の策定や機運醸成のための周知活動を展開していくという。

 190億~240億円程度と試算している花博会場の建設費については、国や市、経団連とともに地元経済界が負担する方針だが、市は横浜商工会議所の提案に応じて「企業版ふるさと納税」を創設し、多くの企業からも寄付を募る考え。

 市は19年12月に公表した基本計画素案で、跡地を「農業振興」「公園・防災」「観光・賑(にぎ)わい」「物流」の四つのゾーンに区分し、約125ヘクタールを占める「観光・賑わい」ゾーンにテーマパークを核とした複合的集客施設を誘致すると策定。

 土地区画整理事業を進めるに当たって、区域での都市計画決定に向けた説明会を2月5日からオンラインで動画配信するとしている。動画は市のホームページで公開し、旭・瀬谷区役所でも同日から説明資料が閲覧可能。説明会に関する質問を2月5日から15日まで、両区役所や郵送などで受け付けるとしている。

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