47回目を迎えた東京スポーツ新聞社制定「2020年度プロレス大賞」で殊勲賞を獲得したのがノアのGHCヘビー級王者・潮崎豪(39)だ。東京スポーツ新聞社・酒井修代表取締役社長からトロフィーと表彰状を授与されて気持ちを新たにした。団体の20周年イヤーだった昨年には並み居る強豪をはねのけた豪腕が、“プロレスリングマスター”武藤敬司(58)を挑戦者に迎える7度目の防衛戦(12日、東京・日本武道館)に向けて熱い思いをぶちまけた。
――受賞で周りの反応は
潮崎 本当にたくさんの人から「おめでとう」という言葉をかけてもらった。プロレス大賞で賞をいただくのは初めてだったので光栄だなと、ものすごく思っています。
――受賞後は「悔しい思いもある」と
潮崎 そうですね。プロレス大賞(MVP)が欲しかった。でもそのためにプロレスをやってるわけではないので、皆さんに選んでいただいたっていうのはすごいうれしかった。
――昨年は新型コロナウイルス禍の20周年イヤーだった
潮崎 無観客の試合もありましたけど、画面を通して見てくれるファンのみんながいるという、そこだけは信じられることだった。だからこそ試合ができたと思いますね。ノアだけは止まらなかったっていうことだけは誇りたいと思ってます。
――昨年ベルトを取った1月4日に今年は武藤からムーンサルトプレスでピンフォールを取った
潮崎 聞いた話ではムーンサルトで取られたことがないということだったんで、そこはよかったと思いますけど。58歳の老かいさ、テクニック、技術、考え方があると思うんで、武道館では全盛期の武藤敬司だと思って全てをかけて向かい合わないといけない。
――1月4日はパートナーに馳浩(59)がサプライズ登場した
潮崎 いやーもうね、驚きですよ(笑い)。もちろん長年やってきた経験もあるでしょうけど「どっから力が湧いてくるんだ」って。そういう力のある世代である武藤敬司との戦いも、自分が見ていたころのプロレスとの戦いかなと。どう戦うかっていうのを考えさせられるタイトルマッチになりますよね。
――最近は常にテーピングをしている。家族も心配しているのでは
潮崎 まあ、心配はしてますけど、ケガとは付き合いながら戦っていかないといけない。自分が見てきたプロレスラーっていうのはそこを乗り越えてきていたんで、自分なんてまだまだ屁のカッパですよ。
――7歳の娘さんはパパがプロレスラーだということは
潮崎 分かってます。隠したりはしてないんで(笑い)。たまに見に来たりして、そういう時は話をしたりもするんで、興味はあるとは思いますね。でも今、プロレスは昔みたいに夕方とかにテレビでやってないし、知らない子たちが多いのでは。希望や未来を生んでくれるスポーツだと思うので、そういう世代にも届けたいなと思いますね。
――先の話になるが、もし彼氏を連れてきたら
潮崎 もう、玄関の前で待ち構えますよ(笑い)。まあ、分かり合わないといけないと思ってるんで、いきなりぶん殴るとかはない(笑い)。でも厳しくはなるんじゃないかな…って今からあんまり考えたくないよ(笑い)。
――娘さんのためにもまだまだ頑張らないと。武藤を考えたらあと20年
潮崎 武藤さんの年で自分ができてるかっていったら分かんないですからね。でもできる限りはやりたいんで、その経験を先につなげるっていうのが自分のできること。いろんな面で楽しみだなと思ってます。
――改めて日本武道館大会に向けて
潮崎(ノアにとって)10年ぶりの武道館なんで、特別な大会だったと思ってもらえるような試合をします。自分がファンのころ見ていた世代の代表格の武藤敬司とベルトをかけて戦うっていうのは、自分にとって運命だと思ってるんで、しっかりと倒して勝ちたいと思ってます。
――今年はどんな年に
潮崎 去年一年、ベルトを持っていたけど、世の中はコロナで暗いという、なかなかうまくいかない時期だった。今年は希望を持って、そしてそれを実現させる一年に。プロレスの試合でも希望をつなげる戦いをしていきたい。もちろんベルトも守り続けます!
☆しおざき・ごう 1982年1月21日生まれ。熊本市出身。2004年7月24日のノア有明大会でデビュー。団体創設者の三沢光晴さん死去の翌日、09年6月14日博多大会でGHCヘビー級王座を初戴冠。12年末に退団し、13年7月に全日本プロレス入団。15年1月に3冠ヘビー級王座を初戴冠したが、同年9月に退団し16年6月、ノアに再入団した。昨年1月4日にGHC王者に返り咲き、3月には藤田和之との31分間のにらみ合い、8月には拳王との60分フルタイムドローが話題に。183センチ、110キロ。