ナでDH採用ならブレーブスとドジャースがクルーズ獲得に名乗りか

今季もナショナル・リーグで指名打者制が採用されるかどうかは依然として不透明な状況が続いている。そんななか、現在の球界を代表する指名打者の1人であるネルソン・クルーズには再契約を狙うツインズだけでなく、指名打者制の採用に備えてナ・リーグのチームからも関心が寄せられているようだ。「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンは「ナ・リーグで指名打者制が採用される場合、ブレーブスとドジャースがクルーズ獲得の有力候補になる」と伝えている。

現在40歳のクルーズは、ツインズでプレーした2年間で173試合に出場し、打率.308、57本塁打、141打点、OPS1.020の好成績をマーク。2019年にエドガー・マルティネス賞(最優秀指名打者)を受賞したほか、2年連続4度目のシルバースラッガー賞を獲得し、「オールMLB」の表彰では2019年にファースト・チーム、昨季はセカンド・チームに選ばれた。40代に突入し、その打棒は衰えるどころか勢いを増しており、驚異の一言に尽きる。

クルーズはツインズとの再契約交渉を一時中断し、指名打者制の動向について様子を見る姿勢を示していた。今季もナ・リーグで指名打者制が採用されれば、自身の獲得に動くチームが増え、より好条件の契約を得られる可能性があるからだ。しかし、その一方でツインズとの再契約交渉が再開されたことも報じられている。

ヘイマンがクルーズ獲得の有力候補に挙げたブレーブスは、昨季の二冠王マーセル・オズーナの穴が埋まっておらず、指名打者にクルーズを加える補強はチーム状況に極めてフィットする。ここ数年、ベテランを高額の1年契約で獲得するケースが多く、クルーズにも同様のオファーをすることになるだろう。

一方のドジャースも、長期の大型契約には慎重だが、短期であれば高額の契約を厭わないチームである。ワールドシリーズ連覇に向けた打線強化の切り札としてクルーズ獲得に動く可能性は十分にある。

とはいえ、ブレーブスやドジャースがクルーズの獲得に乗り出すためにはナ・リーグで指名打者制が採用される必要がある。結局のところ、ツインズとの再契約が最有力なのかもしれない。

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