Team LeMans with MOTOYAMA Racing発進! 本山哲と片山義章がアウディをドライブ

 2月1日、岡山国際サーキットで8台のGT300車両が参加して行われた『GT3特別スポーツ走行』と題されたスポーツ走行が行われたが、ここで1月29日にスーパーGT GT300クラス参戦を発表していていたTeam LeMans with MOTOYAMA Racingが初めての走行を行った。本来のチームが走らせる車両ではないが、三度のスーパーGTチャンピオンの本山哲と、スーパーフォーミュラ・ライツで経験を積んできた片山義章がドライブした。

 2021年のスーパーGTのなかでも、大きな話題のひとつとなっている帝王・本山の復帰とTeam LeMans with MOTOYAMA RacingとしてのスーパーGT参戦。2018年を最後に「GT500クラスからの引退」を表明した本山が、2020年末のフォーミュラでの「リハビリ」を経て、この日ひさびさにGTカーのコクピットに乗り込んだ。

 午前、午後と2時間ずつ行われたこの日の走行では、まだチームがオーダーしているアウディR8 LMSが到着していないため、2020年にチーム・ルマンがメンテナンスを担ったAudi Team HitotsuyamaのR8 LMSを使って走行。午後はウエットとなったことから走行を見合わせたが、本山、片山ともにステアリングを握った。

 本山にとっては、ニッサンGT-RニスモGT3以来となるGT3カーのドライブだが、アウディは初。「ミッドシップのレーシングカーですし、初めてのフィーリングではありましたね。ただ、アウディがもっている特性やヨコハマタイヤの特性を見極めなければならないので、そこまではまだまだ慣れの時間が必要ですね。そのなかで、どこを伸ばしたらいいのかを見つけなければいけないと思います」とR8 LMSのフィーリングを語った。

 また、この日は走行していない間もチームメイトとなる片山、そしてチームと積極的にコミュニケーションをとっている姿が印象的だった本山。その片山については、「全日本F3選手権のときに優勝も飾っていますし、あのクラスのクルマをきちんと乗ることには充分な実績があります」と太鼓判を押す。

「そこから、GTカーにどう適応していくか。また耐久レースの経験もあまりないというので、GT500を含めた混走やドライバー交代など、うまく学んでもらえればと思います。走る分にはまったく問題ないと思います」と本山。これについては、片山も「ハコのロール感や、耐久レースは経験が少ないので、やはりタイヤの使い方が重要になるのではないでしょうか」と自身の課題について同意している。

 そんなTeam LeMans with MOTOYAMA Racingだが、参戦発表の報は非常に多くの反響があった。ファンにとっても本山と、その名を冠するチームの活躍は期待が高鳴るばかりだ。しかし本山は「シーズン序盤については、そんなスムーズにはいかないとは思っています。そこは理解しています」という。

「新たなチャレンジ、そして純粋にレースがしたいという思いがあります。もちろん楽しみながらですが、結果があってこその楽しさですからね(笑)。そこはしっかり求めていきたいと思います」

 そして、2021年がスーパーGTデビューとなる片山は、実は一度アウディはドライブしたことがある。それ以来のドライブとなったが、「僕はフォーミュラに慣れているところがあり、ロール感は感じますが、出場したことがあるポルシェ・カレラカップ・ジャパンの車両に比べると、やはりしっかり感がありますね」とR8 LMSを評した。

 片山にとっても待望のスーパーGTデビューとなるが、そのチームメイトが本山というのは、ルーキーにとっては最高の相手だろう。片山はF3参戦時、かつて本山と組んでいたリチャード・ライアンを師としていたドライバーだ。

「本山さんはまさにレジェンドということは理解していますし、リチャードさんが唯一リスペクトしているドライバーだそうなんです。そんなドライバーと組ませていただけるのは本当に光栄です」と片山。

「チーム・ルマンはGT500をやっていたチームですし、2020年もGT300で勝ったチームを担っていました。日本を代表するプロフェッショナルなチームだと思いますし、素晴らしいチームです。僕がなんとかリチャードさんの走りを受け継ぎ、その頃のようにマッチできればいいな、と思っています」と片山は最高のチーム、そしてチームメイトを得てのスーパーGTデビューに向け、笑顔をみせた。

Team LeMans with MOTOYAMA Racingの本山哲と片山義章
Team LeMans with MOTOYAMA Racingのロゴが貼られたアウディR8 LMSのボンネット
2019年全日本F3選手権岡山 アドバイザーとして二人三脚で戦ってきたリチャード・ライアンと初勝利を喜ぶ片山義章

© 株式会社三栄