楽天石井新監督、「99」ユニ姿にナイン違和感も「似合ってないが最高の誉め言葉」

ユニホーム姿を披露した楽天・石井一久GM兼監督【写真:宮脇広久】

ユニホームのサイズは5XL、公約の体重5キロ減には失敗

今季から現場の指揮も執る楽天の石井一久GM兼監督。1日の沖縄・金武町でのキャンプ初日から、いきなり“らしさ”全開だった。田中将大投手の8年ぶりの復帰で俄然注目度がアップしたチームだが、やはりユニークなキャラの新指揮官からも目が離せない。

公称で身長185センチ、体重100キロの新指揮官は、現役時代に比べるとふっくらとした巨体を背番号「99」の真新しいユニホームに包み、グラウンドに立った。選手からは「違和感しかない」との声も上がったが、本人は「『似合っていない』というのが、最高の褒め言葉だと思っている。ただ、白は膨張色なので、もうちょっと引き締めてないと」と笑った。

ユニホームのサイズは5XL。「こだわりがあって、ここは短くとか、ここは長くとか、ジャパンクオリティで、いろいろ細かくやっていただきました」と明かした。

昨年11月の監督就任時には「なるべくユニホームが似合うように」と、5キロの減量を宣言していた。だが、「少しは痩せたと思うが、志半ばで挫折した」と打ち明け、「チーム同様、諦めない心を持ってやっていきたい。基本的に気を遣って痩せるタイプではないので、行動力を持ってやっていかないと」とダイエット継続を誓った。

一方で「現役でなかったら、ユニホームは着ない方がいいのかなと思いました。野球のプレーをしないでユニホームを着ているのは恥ずかしい」とも。こちらが本音かもしれない。

「常に競争意識を持ってほしいと思います」

田中の加入などで、先発ローテーションをはじめ、チーム内の競争が激化。キャンプ初日から涌井、岸、則本昂、松井ら主力がブルペン入りし、意欲的に投げ込む姿があった。石井監督は「先発なら6席を争わないといけない。常に競争意識を持ってほしいと思います」と、ご満悦だった。

GMとして見ていた昨年までと比べると、「基本的にチームの狙い、足りているもの、足りないものへの見方は一緒。ただ、より選手と近い所でコミュ二ケーションを取り、達成できるようにしていかなければならないのが監督だと思う。より細かくコミュニケーションを取るようにしている」と言う。

「自分のカラーを出すとか、“俺が俺が”にはなりたくない」と語る新指揮官。この日「唯一、自分らしいことができた」と挙げたのは、メイン球場の中堅スコアボードの電光掲示板に終日表示されていたメッセージだった。

「真喜志ヘッドちばりよ!! 立花社長めんそーれ!」

その意図を「真喜志ヘッドには、困難に立ち向かうことを共有してもらわないといけない。頑張ってほしいという思いを込めて書きました」と説明した。敵と戦う前に、まずチームをまとめ上げなければならない。そこでタッグを組む真喜志康永ヘッドコーチと、フロントのトップの立花陽三球団社長に“親愛の情”を示したようだった。

【写真】「似合ってないが最高の誉め言葉」 楽天石井監督の背番号「99」のユニホーム姿

【写真】「似合ってないが最高の誉め言葉」 楽天石井監督の背番号「99」のユニホーム姿 signature

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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