Rソックスの名二塁手・ペドロイアが現役引退を表明

日本時間2月2日、レッドソックスで14シーズン(2006~19年)プレーして通算1512試合に出場した名二塁手ダスティン・ペドロイアが現役引退を表明した。現在37歳のペドロイアは2004年のドラフトで2巡目指名を受けてから17年間をレッドソックス一筋で過ごし、2007年新人王、2008年MVP、ワールドシリーズ制覇3度など輝かしい実績を残してきたが、左膝の故障が完治せず、近年はまともにプレーできないシーズンが続いていた。

ペドロイアはメジャー14年間で通算1512試合に出場し、1805安打、打率.299、140本塁打、725打点、138盗塁、OPS.805を記録。オールスター・ゲーム選出4度、ゴールドグラブ賞4度、シルバースラッガー賞1度など輝かしいキャリアを過ごし、2007年、2013年、2018年と3度のワールドシリーズ制覇も経験した(2018年はポストシーズン出場なし)。

メジャー定着からの2年間でワールドシリーズ制覇、MVP、新人王、ゴールドグラブ賞の4つをコンプリートした史上初の選手であり、各球団から1人ずつ、野球に情熱を注いだ選手に贈られる「ハート・アンド・ハッスル賞」を2010年から7年連続で受賞するなど、気迫に満ちたエネルギッシュなプレーが持ち味だった。2013年には30球団から1人だけ選ばれるメジャー全体の「ハート・アンド・ハッスル賞」も受賞している。

実働14年は球団史上7位タイ、通算1512試合出場は二塁手では球団史上2位の数字であり、開幕戦11年連続スタメン出場はカール・ヤストレムスキーに次いで球団史上2位。ペドロイアがメジャー定着を果たすまでの11年間でレッドソックスは10人の二塁手を開幕スタメンに起用しており、ペドロイアの登場がチームに安定をもたらした。

安打(8位)、二塁打(6位)、得点(10位)、盗塁(6位)、長打(8位)、塁打(8位)、打数(9位)などの各部門で球団史上トップ10に名を連ねており、全盛期と言える10年間(2007~16年)で記録したWAR50.6は同期間でメジャー6位の好成績。メジャーを代表する二塁手の1人として確固たる地位を築いた。

2017年4月のオリオールズ戦でマニー・マチャド(現パドレス)からスライディングを受け、左膝を負傷。この故障が完治せず、2018年は3試合、2019年は6試合のみの出場に終わり、昨季は1試合もプレーできなかった。故障がなければ通算2000安打を余裕でクリアし、さらに数字を伸ばしていくことも確実だっただけに、この「致命傷」を悔やむ声は非常に多い。

残した記録はもちろん素晴らしいが、それ以上に、気迫に満ちたハッスルプレーでファンの記憶にいつまでも残ることだろう。間違いなくレッドソックス、そしてメジャーリーグの一時代を築いた名選手だった。

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