ヤクルトで〝熱血伊藤塾〟開校! ブレーク期す5年目・寺島をマンツーマン指導

山田とともに第1クールの「MVP」

ヤクルトで〝熱血伊藤塾〟が開校だ。沖縄県浦添市で行っているキャンプの第1クールが3日に終了。高津監督は「みんな各自で準備してきてくれた。全体的な動きも悪くない第1クールだったと思う」と振り返り、クールのMVPに山田と伊藤智仁投手コーチ(50)を選出した。チームの中心選手である山田はともかく、伊藤コーチを選んだのは「すごく的確に分かりやすく選手と話してるのが印象的だった。石井コーチとタッグを組んで投手を再建しようという気持ちが表れていた」との理由からだ。

同コーチの〝熱さ〟を象徴する場面があった。投手の全体練習後にブルペンの片隅で5年目の寺島成輝投手(22)と投球フォームをチェック。伊藤コーチが渡したボールを寺島がネットに向けて投げ、投球のたびに左ヒジの位置を2人で確認。さらに球団関係者に撮影してもらった動画で再確認し、その後もネットスローを繰り返す動作を20分以上行った。これにチーム関係者は「寺島にはそろそろ覚醒してもらわないと困りますからね」と話した。

寺島は2016年のドラフトで西武の今井らとともに「高校四天王」として注目され、1位で入団。背番号18を託され次代のエースとして期待されたが昨年、中継ぎとして一軍で30試合登板を果たすまでは二軍生活を続けていた。

今季に期す寺島は「何とか先発で勝ちを付けたいと思っている」と気合を入れる。現役時代に名将・野村克也監督が「プロ野球史上最高の投手」と評した伊藤コーチの手によって大器がついに殻を破るか、注目だ。

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