【新型コロナ】南ア変異株、50代と10代の男女感染 神奈川県内で初確認 黒岩知事「大変重大なこと」

南アフリカで報告された新型コロナウイルス変異株について会見する県の担当者=4日夜、県庁

 厚生労働省は4日、南アフリカで報告された新型コロナウイルスの変異株に神奈川県内の50代女性と10代男性が感染したと発表した。変異株が県内で確認されたのは初めて。50代女性はアフリカに滞在歴があり、10代男性は学齢期で、女性の濃厚接触者だった。居住地や関係性は明らかにしていない。

 厚労省や県によると、女性は帰国時の成田空港での検査では陰性だったが、自宅待機中の1月中旬に発熱などの症状が出た。医療機関で陽性と確認され、渡航歴があったことから国立感染症研究所で検体を調べたところ、変異株と判明。2人とも不特定多数との接触はなく、県は感染の面的な広がりはないとしている。2人とも現在は無症状で、入院先を調整している。

 女性の濃厚接触者は10代男性以外に5人で、うち1人は陰性、2人が陽性で変異株かの確認を進めている。残る2人も感染の有無などを調べている。10代男性の濃厚接触者はいない。

 4日夜に取材に応じた黒岩祐治知事は「大変重大なことと受け止めている。危機意識を持って対応していく」と説明。監視体制の強化のほか、積極的疫学調査の徹底や範囲拡大などに取り組むという。

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