本田圭佑 来年の五輪出場熱望の裏に見え隠れする「ビジネスマンの本音」

本田は東京五輪出場の目標を変えていない(ロイター)

【どうなる?東京五輪・パラリンピック(51)】 サッカー・ブラジル1部ボタフォゴの元日本代表MF本田圭佑(33)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で来夏に延期となった東京五輪の出場に意欲的だ。その裏にはビジネスマンとしての顔も見え隠れしている。

本田が東京五輪を目指すと初めて公言したのはA代表を引退した2018年ロシアW杯後。それから口癖のように出場を熱望しており、今年3月24日に延期が発表された後もすぐに来夏に照準を合わせる熱の入れようだ。ピークを過ぎたベテランが登録メンバー18人中3枠のオーバーエージ(OA)に入るのは簡単ではないが、自ら挑戦者を名乗るだけに、まさにうってつけの目標だろう。

とはいえ、選手としての純粋なチャレンジ精神だけが動機ではない。すでに投資家、経営者といった立場で活動している中で、28日には日本国内のスタートアップ投資などを行う「WEIN挑戦者FUND」設立を発表。オンライン会見で「来年の五輪を目指してブラジルで挑戦している」とした上で「サッカーで結果を出さないと選手としてのキャリアもダメになるし、ビジネスもダメになる危機感を持ってブラジルでサッカーをしている」と“本音”が垣間見えるような発言も出た。

3度のW杯出場(10、14、18年)などプロサッカー選手として抜群の実績と知名度があってこそ、投資や企業経営など様々なビジネスを展開できたということ。それだけに“延期五輪”に参戦してメダル獲得に貢献すれば、自身の価値をさらに高め、ビジネスチャンスもより生み出していく…との計算もあるわけだ。

一方で世界的なコロナ禍の前には、東京五輪の開催そのものが危ぶまれており、仮に中止となればすべてが吹っ飛んでしまう可能性も残す。OA争いも含めて“オレ様流”で高いハードルを乗り越えられるか。

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