「眼鏡石」の工事本格化 3月中旬ごろ原型復旧 佐世保市

本格的な工事が進む眼鏡石=佐世保市瀬戸越町

 長崎県佐世保市は、国指定名勝「平戸八景(通称)」の一つで、同市瀬戸越町にある「眼鏡石」(眼鏡岩)の経年劣化に伴い、今月から保存・補強作業を本格的に始めた。3月中旬ごろ原型復旧する予定。
 市教委によると、眼鏡石は高さ10メートル、幅20メートル、厚さ6メートルの1枚岩に直径5~8メートルの穴が二つ空き、眼鏡のように見える。数十万年前に海底から隆起。佐世保湾と相浦川の接点に位置していることから、波の作用や風化によって穴が開いたとされる。
 経年劣化に加え、2019年5月の暴風で一部が剥離。市教委は20年12月から測量や足場の設置などの準備を進めていた。今後、亀裂部分などの修理や全体の補強を施していく。
 同課の担当者は「地域で長年親しまれている存在。次の時代に引き継ぎたい」としている。

工事着工前の眼鏡石

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