展覧会「オムニスカルプチャーズ ー彫刻となる場所」を4月5日から開催

2021年2月5日
武蔵野美術大学 美術館・図書館

※図版のキャプションは下に記載しています。

武蔵野美術大学 美術館・図書館は展覧会「オムニスカルプチャーズー彫刻となる場所」を開催します。戸谷成雄、舟越桂、伊藤誠、青木野枝、三沢厚彦、西尾康之、棚田康司、須田悦弘、小谷元彦、金氏徹平、長谷川さちといった現代彫刻を牽引する多彩な彫刻家11名が参加し、新作を中心に展示します。さらに画家である杉戸洋の独自の空間意識が展示構成に関わることで、予定調和に収まらない彫刻空間を作り上げます。
「オムニスカルプチャー」は、様々な思考や表現法によって拡張可能な彫刻において、彫刻の全方位性(≒omni)を示す、三沢厚彦による造語です。本展では、「オムニ」という彫刻の一つの概念をめぐって、多様なアーティストの作品が共生、あるいは対峙することによって、彫刻の新たな可能性を浮上させます。

展覧会概要

「オムニスカルプチャーズー彫刻となる場所」
会期:2021年4月5日(月)〜6月20日(日) ※会期などは変更になる場合があります。
会場:武蔵野美術大学美術館 アトリウム 1・2、展示室 1・2、
開館時間:10:00–18:00(土曜、祝日、特別開館日は17:00閉館)
休館日:日曜日 ただし6月13日・20日は特別開館日
入館料:無料

主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館 https://mauml.musabi.ac.jp
協力:ANOMALY、ケンジタキギャラリー、小山登美夫ギャラリー、
シュウゴアーツ、西村画廊、ヒノギャラリー、ミヅマアートギャラリー、
武蔵野美術大学 彫刻学科研究室
監修:三沢厚彦(彫刻家/武蔵野美術大学 造形学部彫刻学科教授)

本展について

様々な思考を形象化する現代彫刻の姿は、一つの様式には収まらず多様な表現方法によって拡張し続けています。本展で紹介する、現代彫刻を牽引する11 名の作家たちは、世代もさることながら、彫刻への考え方や向き合い方も各人各様で、木、鉄、石、FRP など扱う素材や技法も多岐にわたります。それぞれの彫刻は固有のベクトルや解釈可能性を持ち合わせており、まさに現代彫刻の全方位性を体現するかのような彫刻家が集まったといえます。
一方で、彫刻は自律的であると同時に、実体として定立するためには場所性とも不可分であり、周囲の環境との関係性が重要な要素です。本展会場は、建築家の芦原義信が1967 年に設計した、ブルータリズムの影響を受けたモダニズム建築であり、その後さらに異なる建築思考による二度の改修を経て、特有の空間となっています。この空間のなかで、画家の杉戸洋が展示構成に介入し、一つの触媒となることで、11 名による彫刻のこれまでにない関係(あるいは共生性)を誘発します。そして、展示空間全体もまた一つの表現性を有することで、この場所をめぐって、彫刻の現在とこれから、その姿が立ち現れます。
なお出品作品に関連するドローイングなど、作家ら固有の思考の一端がみえてくる資料も公開する予定です。彫刻の全方位性を示す「オムニ彫刻」をひとつのキーワードに、多様な思考や解釈が入り組むなかで、新たな表現への展開を探ります。参考図版1|本展の会場となる武蔵野美術大学美術館 アトリウム1・2、展示室2参考図版2|杉戸洋「cut and restrain」(小山登美夫ギャラリー、2019 年)での展示風景 撮影:髙橋健治 ©Hiroshi Sugito

図版キャプション

冒頭画像
(上段左) 三沢厚彦《Animal 2020-03》2020 年
樟、油彩 208.0×112.0×346.0cm
©Atsuhiko Misawa Courtesy of Nishimura Gallery
(上段中)舟越桂《スフィンクスには何を問うか?》2020 年
楠に彩色、大理石、革 101.0×53.0×32.0cm
撮影:岡野圭 ©Katsura Funakoshi Courtesy of Nishimura Gallery
(上段右) 金氏徹平《S/F (Sculpture/Fiction) 》2019 年
インクジェットプリント、ステンレス 300.0×220.0cm
(下段左) 戸谷成雄《直方体の二分割又は低くて薄い壁》2016 年
木、灰、アクリル塗料 66.0×369.0×21.0cm
撮影:怡土鉄夫 Courtesy of Kenji Taki Gallery
ケンジタキギャラリー(名古屋)での展示風景
(下段右) 青木野枝《ふりそそぐものたち/長崎》 2019 年
鉄、ガラス 580.0×1370.0×1500.0cm 撮影:山本糾
©Noe Aoki Courtesy of ANOMALY
長崎県美術館での展示風景[ 参考図版]

※監修者コメント、各作家紹介はプレスリリース原文(PDF)をご覧ください。