東日本大震災から10年の節目に公開 手紙が紡いだ心の復興を描く 短編映画「漂流ポスト」予告編

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東日本大震災で大切な人を亡くした人の”心の復興”を描いた映画「漂流ポスト」が、震災から10年となる本年の3月5日から劇場公開される。この度、予告編が公開された。

予告編では、中学生時代の園美と親友の恭子がかけがえない時を一緒に過ごした様子、大人になった園美が東日本大震災で失った恭子を思って涙を流す姿、そんな園美に”漂流ポスト”のことを教える管理人の赤川の姿などが描かれている。

あわせて、中学生時代の恭子を演じた神岡実希と、園美を演じた中尾百合音のコメントが公開された。神岡は、「3.11という大きな自然災害を思い出してくれたら、少しでも救われる人がいてくれたら、大事な人を大事にしようと、そう思って頂けたら、嬉しいなと思います」とコメント。中尾は、「『漂流ポスト』という映画を通して、『生と死』『人と人との絆』『生きている』ということ、『突然の悲しく辛い出来事』に人はどう向き合っていくのかをあらためて考えていただけたらと思っております」とコメントしている。

「漂流ポスト」は、東日本大震災で亡くなった人への想いを受け止めるために作られた、岩手県陸前高田市の山奥に建てられた実在のポストを題材とした30分の短編。東日本大震災で親友の恭子を失ったことを受け入れられずに過ごす園美が、漂流ポストの存在を知り・・・という物語が展開される。漂流ポストの存在を知った清水健斗が、監督・脚本・編集・プロデュースを手がけた。これまで国内外の映画祭などで上映され、ニース国際映画祭やロンドン映画祭などで多くの賞を受賞してきた。

■神岡実希(香月恭子役) コメント
こんにちは。神岡実希です。この度は、映画『漂流ポスト』がアップリンク渋谷さんにて公開されることとなり、とても嬉しく思っております。この作品の撮影をしたのは今から3年以上前、高校生の時でした。これから女優として活動して行こう!と思っていた時期だったので、恭子はどういう人なのか、どうしたら作品が良くなるのか、また園美役は同じ事務所の中尾百合音ちゃんだったので、どうしたら百合音ちゃんとお話しできるか、当時すごく考えていました。また、常に自然体を意識して撮影に参加させて頂いていた事を覚えています。観てくださっている方の目にどう写っているのか気になりますが、、、笑

でもこうしてスタッフさんとたくさんお話しして思い出に残っている作品が、海外の映画祭で多くの賞をいただき、私自身もロンドン国際映画祭にて外国語部門最優秀助演女優賞をいただき、本当に光栄に思います。見知らぬ地で誰かの目や心に留まり、評価していただくというのは本当に嬉しいことです。これを励みに、もっともっと多くの作品に出演したいという気持ちを持つことができました。海外と同じように、次は日本でこの作品が、多くの方の目や心に留まり、3.11という大きな自然災害を思い出してくれたら、少しでも救われる人がいてくれたら、大事な人を大事にしようと、そう思って頂けたら、嬉しいなと思います。

■池淵園美(中学時代の中尾百合音役) コメント
映画『漂流ポスト』が東日本大震災から10年の年に世界中を旅して様々な方々の目にふれて、沢山の賞をいただき、再び私たちのもとに帰ってきてくれた事を大変嬉しく思います。

2011年、当時小学1年生だった私の東日本大震災の記憶は、学校のグラウンドや自宅の周りが液状化で泥だらけ、小学校の体育館に母と姉と一緒に避難して、揺れがひどくて怖くて眠れない夜を過ごした。という断片的な記憶だけでした。

撮影当時、中学2年生だった私が演じたのは「園美」の中学時代役でした。台本をいただいてから、撮影で使用する手紙を本当の友人宛に重ね合わせて書いたり、当時の私の友人を「恭子」と重ねあわせたり、中学生の普通の日常を友人と楽しく過ごすことに専念して撮影にのぞんでいました。

『漂流ポスト』という映画を通して、「生と死」「人と人との絆」「生きている」ということ、「突然の悲しく辛い出来事」に人はどう向き合っていくのかをあらためて考えていただけたらと思っております。
この作品が一人でも多くの方に届きますように。

漂流ポスト
3月5日(金)よりアップリンク渋谷にて他全国順次公開
配給:アルミード
(c) Kento Shimizu

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