国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド委員が、今夏予定の東京五輪に出場する選手が優先的にワクチンを接種するべきとの見解を示した。
パウンド委員の故郷・カナダの全国紙「トロント・スター」は同委員が「最初は最前線で働く医療従事者などの労働者や、他の病気にかかりやすい脆弱な人々がワクチンの接種を受ける必要がある」と前置きした上で「誰が次にワクチンを接種するかを国が決定する際に、オリンピアンも選択肢に入れないといけないと話した」と伝えた。
続けて「各国は感染が始まった事実上の震源地(中国の隣の国)に選手を派遣することになるため、外交官や兵士を現場に送り込むのと同じ保護が必要だ」と対策の重要性を訴えた。
実際にIOCも「ワクチンは重要な対策の1つである」と述べているが、いまだ具体策が決まっていないため、同紙は「『五輪の選手たちのパフォーマンスに誇りを持っている。そのリスクを最小限に抑えることができれば』とパウンド委員が語った」と記した。
東京五輪の開催については、さまざまな意見が飛び交う中、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は2日に実施された自民党本部の会合で「新型コロナウイルスがどういう形だろうと(東京五輪を)必ずやる」と明言している。