「助けるのは当然」 漁船火災で船長救助 親子に表彰状 対馬海保

表彰状を受けた藤澤末雄さん(右)と哲也さん=平戸市、志々伎漁協本所

 対馬海上保安部(税所百年部長)は3日、長崎県対馬市沖の船舶火災で負傷した男性船長を救助したとして、平戸市野子町の漁業、藤澤末雄さん(72)、哲也さん(49)親子に表彰状を贈った。
 平戸海上保安署によると、昨年11月16日午前8時20分ごろ、対馬市豊玉町小綱漁港の北西約5キロの海上で、同町漁協所属のイカ釣り漁船(1人乗り組み)から出火。消火に当たった男性船長は顔や手にやけどを負い、海に飛び込んだ。
 現場付近で操業していた藤澤さん親子が煙に気付き、現場に急行。浮いたクーラーボックスにつかまっていた船長を救助し、同漁港に搬送した。
 藤澤さん親子が所属する平戸市志々伎町の志々伎漁協本所で、平戸海上保安署の下釜満署長が2人に表彰状を伝達。哲也さんは「対馬沖の漁では、対馬の漁師仲間にお世話になっている。助けるのは当然」。末雄さんは「手にやけどをしていて助けるのに手間取った。1人では引き上げられなかった」と振り返った。

© 株式会社長崎新聞社