横須賀鎮守府需品庫の遺構出土 ヴェルニー公園内「ティボディエ邸」開館延期に

建設予定地から出土した明治時代の遺構(横須賀市提供)

 横須賀の歴史や近代遺産などのガイダンスセンターとしてヴェルニー公園(神奈川県横須賀市汐入町)内で整備が進められている「ティボディエ邸」の開館が延期されることになった。2020年度中にオープンの予定だったが、建物の建設現場から明治時代の建築物の遺構が出土するなどして全体の工期が延びたためだ。市は「開館は5月の連休明け以降になる」とする。

 市によると、ティボディエ邸の建設地から出土したれんが造りの遺構は、1902~03年に竣工(しゅんこう)された「横須賀鎮守府需品庫」の基礎部分。ヴェルニー公園の周辺は明治時代は倉庫群があり、その一部という。

 昨年5月に深さ約2メートルの地中から遺構が見つかった。同7月まで遺構の調査を実施し、同邸の建設部分にあったれんがは取り除かれ、他は埋め戻された。

 全体の工事完了は今年4月末を予定。市は「新型コロナの影響などもあるが、災い転じて福となれば」と話している。

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