巨人・菅野にも「マー君効果」あり!球界最高年俸の重圧消え周囲はホッ

ブルペンで笑顔を見せた巨人・菅野

巨人のエースにもマー君効果だ。8年ぶりに楽天に復帰した田中将大投手(32)がキャンプの話題を独占中。コロナ禍により史上初の無観客でキャンプが行われているなか、球界への好影響は計り知れない。そんな中、巨人では菅野智之投手(31)にも波及効果が出ているという。いったいどういうことなのか。

巨人のS班沖縄キャンプ第1クール最終日(9日)のブルペンで、菅野は小林を座らせ26球、力強いストレートを投げ込むと「天候もずっと暖かくて、思ったよりも体が動くなという感じだったので。自分の中でようやく始まったなという感覚ではあります」と笑顔を見せた。

渡米してメジャー移籍を目指していた菅野は1月9日に帰国。その後、2週間の自主隔離期間があり、調整の遅れが心配されていたが順調な模様だ。いよいよエンジンがかかってきたエースの姿に、球団内からは「マー君が帰ってきてくれて本当に良かった」との声が飛び出した。

「マー君が日本に帰ってきたことで、菅野が球界最高年俸ではなくなった。ただでさえ責任感の強い菅野にこれ以上、重責を背負わせないで済んで、本当に良かった」(球団関係者)

メジャー球団と条件面で折り合わず、巨人残留となった菅野は1億5000万円増の単年8億円で契約。その時点で2003、04年のペタジーニ(巨人)の7億2000万円を抜き、NPB歴代最高年俸を更新した。

直後に右腕は「それだけプレッシャーもありますし、その金額に見合った活躍をしないといけないな、と身が引き締まる思いです」と厳しい表情を見せると「(少年たちの)野球離れが加速しているなかで、夢のある数字だと思いますし、少しでも野球選手になりたいなって。そういうものも含めて自覚のある、責任のあるピッチングをしていけたら」と思いを新たにしていた。

巨人では選手会長4年目を迎え、ローテの柱としてリーグ3連覇、日本一が至上命令。菅野本人も「20勝で日本一」と今季の目標を掲げた。さらに今夏の東京五輪でもエースとして金メダルの期待がかかる。今秋のオフには海外FA権を行使してのメジャー再挑戦を公言。シーズン成績が移籍条件を大きく左右するため、息を抜く暇はない。そこに球界最高年俸が加わり、責任感が強すぎるエースがいつパンクしてもおかしくなかった。だが田中将が楽天と年俸9億円の2年契約を結んだことで、菅野が背負う〝十字架〟の1つがなくなったのだ。

もちろん練習にも常に全力で臨む絶対エースに年俸順位が影響することはないだろう。だが、見守る周囲にとっては「マー君サマサマ」のようだ。

とにかく、菅野は田中将の日本復帰について「日本の野球界にとってはすごくプラスなことばかりだと思うので、一生懸命、何とか自分のプラス材料にするべく頑張りたいと思う」と歓迎。五輪に向けても「田中さん自身も金メダルを取りたいとおっしゃっていたし、同じチームで、一緒に戦うことができれば、そこで自分の野球人生の中で得られるものってすごく大きいと思う」と心待ちにしている。

巨人と楽天の背番号18が切磋琢磨して日本球界を大いに盛り上げてくれそうだ。

(金額は推定)

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