「避難時助け合い必要」日向高生 車いす、目隠しで調査

車いすの利用者や視覚障害者などが避難場所へ到着する時間を調べた日向高校生

 日向市・日向高(星衛俊一郎校長、542人)のフロンティア科1年生5人は8日、津波避難のフィールドワークを行った。同市と結んだ包括連携協定に基づき、市の避難山や避難タワーを利用。車いす利用者や視覚障害者が避難場所に到着できる時間を調べた。
 5人は防災研究班に所属。南海トラフ巨大地震が想定される中で若者の防災意識を高めようと、校内アンケートや救助法を学ぶなど研究をしている。
 同市財光寺の避難山で実施したフィールドワークでは、車いすに乗ったり、膝が曲がりにくい高齢者の動きを体験できるサポーターや目隠しを装着したりして出発。約450メートル離れた場所から頂上までの時間を計測した。その結果、補助がない車いすは、補助がある場合より移動時間が倍に。津波発生時は避難が難しい恐れがあることなどが分かった。
 避難タワーでは、自力で階段を上れない人をいすや毛布を使って上に運ぶ方法を、高齢者施設職員から習った。畝原怜暉(うねはら・りょうき)さん(16)は「いざというときは助け合いが必要と分かった」と話していた。
 同班の研究結果は1年後、市への提言として発表する予定。

© 株式会社宮崎日日新聞社