組織委の新会長候補の鈴木大地氏は森喜朗氏が反対か 千葉県知事選をめぐる確執の過去

鈴木大地氏

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が12日に辞任したことで、後任候補が早くも取りざたされている。

有力なのは橋本聖子五輪相だが、2014年ソチ五輪時にフィギュアスケートの高橋大輔に猛烈なキスをして大問題に発展したため、リスクが大きいとされる。

「当時橋本氏は日本スケート連盟会長。選手の立場としては断ることができるはずがなく、セクハラ、パワハラと指摘されても仕方がない。セクシャルな問題にピリピリ状態の国際社会で、これはマズイ」(大会関係者)

そこでもう一人取りざたされているのが、初代スポーツ庁長官でソウル五輪競泳金メダリストの鈴木大地氏だ。たしかに、選手としての実績、スポーツ行政を知るキャリアも申し分ない。

だが、「絶対ダメ!」と声を大にするのは永田町関係者だ。

「森さんは鈴木氏の後ろ盾とされていますが、まったく評価していないのです。『あいつは、物事が全然わかっていない!』などと陰でクソミソ。それを組織委の幹部が知らないはずはない。もし、自分の後任に鈴木氏が推されたら、森氏は激怒するでしょう」

それを象徴するドタバタ劇が昨年10月にあった。千葉県知事選(3月21日投開票)のため、自民党県連は鈴木氏を擁立しようと調整していた。同氏も出馬に色気を見せていたが、県連に「待った」をかけたのが森氏なのだ。

「森氏は、鈴木氏が万一落選したとき、初代スポーツ庁長官の評価に傷がつく、と大反対。政界、財界、スポーツ界にニラミが利き、組織委の会長を務める森氏がそう言えば県連も従わざるを得ない。ただ、出馬すれば当選の可能性は十分あった。なので先の理由は表向きで、鈴木氏が知事になるのが面白くなかったのではないかと言われています。出馬を土壇場で断念せざるをえなくなった鈴木氏はガックリですよ」(同関係者)

かといって、会長候補が一転白紙となり顔をつぶされた川淵三郎氏は難しくなった。新会長の選出は、いったいどうなるのだろうか。

© 株式会社東京スポーツ新聞社