コロナ遺族の負担軽減 西海市が遺体搬送料を補助

 長崎県西海市は新型コロナウイルス感染症で亡くなった市民の遺族の負担を軽減するため、遺体の搬送料を10万円まで補助する制度を始めた。1月29日付で補助金の交付要項を告示。市によると県内では初めてという。
 新型コロナ感染症で亡くなった遺体の取り扱いについて、厚生労働省などは感染防止のガイドラインを定めている。市によると、葬儀社は消毒などのため、通常の搬送料に加え数十万円の追加費用を求める例があるという。新型コロナによる市内の死者は4人。申請は窓口や郵送などで受け付け、今年1月1日にさかのぼり適用する。
 市側は今月12日に開かれた市議会全員協議会で補助制度の内容を説明。杉澤泰彦市長は「新型コロナで家族を亡くされた方の声なき声に、手当てをしたいという思い。西海市だけの問題ではなく国や県の対策も必要」と話した。
 また市は、市外で火葬した場合、市内火葬場よりも使用料が高額になるケースがあるため、差額を補助する制度も1月29日付で告示した。差額補助は新型コロナ以外も対象。以前から離島の住民を中心に市外の火葬場を利用する例があることから定めた。昨年4月1日にさかのぼり適用する。

 


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