ロバート・クビサ、WRTからELMSのLMP2クラスに参戦決定

 ベルギーのチームWRTが、すでに発表されているWEC世界耐久選手権のプログラムに加え、新たに2021年のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP2クラスにも参戦することが明らかになった。このELMSプログラムのひとり目のドライバーとして、元F1ドライバーのロバート・クビサが確定している。

 2021年のWEC・LMP2クラスにフルシーズン参戦することが明らかになっていたWRTは、12日に発表されたELMSの年間エントリーリストに「チームWRT」として記載され、ELMSにおいてもLMP2クラスに41号車オレカ07・ギブソンの1台体制でフル参戦する。このエントリーリストには、現在ドライバーとしてはクビサの名前のみが記載されている。

 WRTは主要なGT3イベントへも継続的に取り組みながら、今季はプロトタイプ・カテゴリーのレースへも参入する。WRTはスパ24時間、ニュルブルクリンク24時間、バサースト12時間での総合優勝などでよく知られており、近年ではプライベーターとしてDTMでアウディのマシンを走らせていた。DTMにおいてBMWをドライブしていたクビサは、WRTにとって競争相手でもあった。

 2021年1月、クビサはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の第1戦デイトナ24時間レースにハイクラス・レーシングから参戦し、LMP2デビューを果たしている。

2021年IMSA開幕戦のデイトナ24時間レースでLMP2デビューを果たしたクビサ

「チームWRTに参加できて、とてもうれしい。僕のキャリアにおける新たな章であり、チームにとっても新たな挑戦だ」とクビサは語っている。

「才能のあるライバルたちがさくさんいる、非常に強く、競争力のあるカテゴリーで、チームとともに多くの新たな発見をしていきたい」

「数日前にデイトナで初体験したチームメイトとマシンをシェアするという耐久レースへの、初めてのフル参戦になる。チーム、ファクトリー、そしてサーキットで仕事を始めることを、楽しみにしている」

「プロジェクト全体が、非常にモチベーションを高めてくれる。これを実現するために、懸命に努力をしてくれたヴァンサン(・ボッセ/チーム代表)に、心から感謝したい」

■「クビサを尊敬」とWRT代表。チームはル・マンでの“2台目”のエントリー枠を狙う

 クビサはチームのふたつのLMP2プログラムにおいて確定した最初のドライバーであり、WECのドライバー陣容はまだ発表されていない。

 WRTによれば、ELMSへのコミットメントは、2021年のル・マン24時間レースにおける2台目のエントリー申請を容易にするために行なわれたものだという。チームはWECへのフルシーズン参戦により、すでにル・マンで1台分のグリッドを確保している。

 WRTは2016年のELMSスパ戦でLMP2デビューを果たし、ローレンス・ファントール/ドリス・ファントール/ウィル・スティーブンスがドライブするリジェJS P2・ジャッドで2位フィニッシュを果たしている。

「このカテゴリーはモータースポーツのDNA、歴史、伝統の重要な構成要素である。耐久レースを我々の活動に追加できることに、心から興奮している」とチーム代表のヴァンサン・ボッセは述べている。

「FIA WECに参戦することを決めた瞬間から、ELMSでも同時にプログラムを実施することは我々にとって完全に理にかなっており、この計画を実現できることを嬉しく思う」

「(ELMSにも参戦するという)新たな挑戦に取り組むことは、より多くを、より速く学ぶことの助けになるだろう」

「WRTファミリーにロバートを迎えることができて嬉しい、というのは控えめな表現だ。我々全員、そしてとくに私個人は、ロバートをドライバーとして、そして人としてもとても尊敬している。彼は真のレーサーであり、止められない情熱に駆られた男だ」

「我々は過去にも彼とは話をしてきたが、彼とともに働けることでまた別の夢が現実となった。現在は、他のドライバーについても評価・検討を行なっている。まもなく、残りのラインアップを発表することを楽しみにしている」

2月12日付けで発表されたELMSの年間エントリーリスト(PDF)

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