鷹15年ドラ1高橋純が今季に賭ける思い 同期投手が全員戦力外「危機感毎年ある」

ソフトバンク・高橋純平【写真:福谷佑介】

昨季は1軍登板なし「悔しいとか以前に自分が甘かったなと思います」

2015年のドラフト1位で入団したソフトバンクの高橋純平投手。2019年に1軍で45試合に登板しブレークしたものの、昨季は怪我の影響もあって1軍登板は1試合も無し。そんなドラ1右腕が今季に賭ける思いを吐露した。

第3クールに入ってこのキャンプ初めて打撃投手に登板した高橋純。昨季、右肩と右肘に不安を抱えていたことから、すでにシート打撃の登板を済ませた他のB組投手より、1クール遅れて調整を進めており、13日に始まった第4クールでは実戦形式へと段階を上げていく予定だ。

2019年に1軍でプレーしながら、昨季は1軍登板無し。己の甘さを痛感した1年だった。「去年は気持ち的にも乗ってキャンプに入ったんですけど、怪我して1軍でも投げられず、悔しいとか以前に自分が甘かったなと思います」。怪我が治ってからも、なかなか自分のフォームを取り戻せずに悪戦苦闘した。

1位で指名された2015年のドラフト。2位指名だった小澤怜史投手や育成指名だった野澤佑斗投手、渡辺健史投手がオフに戦力外となり、同期入団だった投手は高橋純1人になった。「今年は同級生とか同期の投手がいなくなった。勝負する相手は自分だと思っています。危機感に関しては、今年が特別あるわけでなく、毎年あります」と、その表情は覚悟に満ちている。

「いつ辞めることになったとしても、悔いはどこかに残ると思うんです。でも、あの時こうしておけば良かったとか、そういう後悔が少しでも減るように野球ができれば、と。今年はその気持ちが強いというのはありますね」

「今更ジタバタはしない。もう、やることをやるしかないんで」

このオフは激動の2か月だった。当初は東浜巨投手に“弟子入り”し、12月から沖縄で自主トレを共にさせてもらう予定だった。ただ、諸事情により12月は沖縄に行けず、さらに東浜が新型コロナウイルスに感染したため、1月も自分1人で自主トレを行わざるを得なくなった。

「本来、自分がやりたかったこととは違うオフになりましたけど、時間ができた分、去年怪我をしていた部分をカバーするようなことができました」

昨季、故障をした右肩、右肘周りの強化、そして肉体強化に取り組み、身体つきはひと回り大きくなった。1クール遅れではあるものの、連日ブルペンでの投球練習を行うなど、調整の段階を上げていっている。

「去年投げていないんだから、今年こそやるしかないだろと思っています。今更ジタバタはしない。もう、やることをやるしかないんで」。2015年に3球団が競合したドラ1右腕も、もう6年目。今季こそ1軍の舞台で再び輝くことを目指し、B組から這い上がっていく。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

© 株式会社Creative2