沖縄タイムス元社員に懲役1年6月求刑 コロナ給付金詐欺 初公判で詐欺認める 弁護側は執行猶予求め

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、個人事業者を支援する国の持続化給付金100万円を不正に受給したとして、詐欺罪に問われた沖縄タイムス元社員の被告(45)の初公判が15日、那覇地裁(森田千尋裁判官)で開かれた。被告は「間違いないです」と起訴内容を認めた。検察側は懲役1年6月を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求め、即日結審した。判決は24日に言い渡される。

 検察側は論告で、自ら犯行に及ぶだけでなく、不正受給を指南する税理士事務所に知人らを紹介したと指摘。「申請者の善意を前提とした制度設計を悪用したもので、同種事案の中でも特に悪質な部類の犯行だ」と述べた。弁護側は首謀者の税理士や経営コンサルタントに指南されるがままに犯行に及んだと主張した。

 公判では住宅ローンや投資の失敗などで約8千万円の借金を抱えていることが明かされた。被告人質問で被告は「多額の借金があったので、給付されたら返済に充てられると考えた」と説明。申請当時は罪の意識は薄かったとし「申請者が多く、税理士が関わることで不正な申請と分かることがないだろうと安易に考えた」と述べた。

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