華流が韓国にも到来!? 中華圏作品の韓国リメイクを考える

韓国のテレビ局JTBCは、イギリスのドラマ「女医フォスター 夫の情事、私の決断」や、日本のドラマ「リーガル・ハイ」といった海外ドラマをリメイクし、大きな成果を上げてきた。そのJTBCが、今回ネットユーザーからも期待が高い中国ドラマ「30女の思うこと ~上海女子物語~」をリメイクする。

韓国で中国ドラマがリメイクされるのはこれが初めてではなく、過去には「宮廷女官 若曦(ジャクギ)」「ツンデレ王子のシンデレラ」「太子妃 狂想曲<ラプソディ>」などの韓国リメイク作品がある。しかし、この「30女の思うこと ~上海女子物語~」は、”中国都市ドラマ”が初めて韓国でリメイクされる作品になると言われている。というのも、2014年に中国の現代ドラマ「中国式離婚」の韓国版リメイクが制作されると噂されていたが、残念ながらまだ実現には至っていないからだ。

韓国でまず中華圏の作品が取り入れられたのは、香港映画のリメイクだった。1986年のチョウ・ユンファ(周潤發)、レスリー・チャン(張國榮)の映画『男たちの挽歌』は、2010年のチュ・ジンモとソン・スンホン主演の『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』としてリメイクされた。また、1991年の映画で、チャウ・シンチー(周星馳)、ン・マンタ(呉孟達)が出演した『ファイト・バック・トゥ・スクール』は、2005年にキム・ソナ、コン・ユ出演の『恋の潜伏捜査』にリメイクされている。その他に、『ドラッグ・ウォー 毒戦』『インファナル・アフェア』『狼 男たちの挽歌・最終章』などのリメイク作品もある。

台湾ドラマからもリメイク作品が作られている。2014年の「魔女の恋愛」はイーサン・ルアン(阮經天)とシェリル・ヤン(楊謹華)主演の2009年のヒットドラマ「敗犬女王」のリメイク、同年にはイーサン・ルアンとジョー・チェン(陳喬恩)主演の「ハートに命中!100%」がチャン・ナラ出演の「運命のように君を愛してる」となった。これらのリメイク作品は放送開始時には注目されていなかったが、その後人気の韓国ドラマへと発展を遂げた。

一方で、チェン・ボーリン(陳柏霖)、アリエル・リン(林依晨)主演の「イタズラな恋愛白書」は高視聴率を獲得したが、韓国リメイク版「君を愛した時間~ワタシとカレの恋愛白書」は振るわなかった。韓国市場においては、人気のある台湾ドラマをリメイクしても、その評価は低くなってしまうケースも少なくない。

韓国での中国ドラマのリメイク制作のペースは、近年の中国ドラマの発展に追随しており、今日、韓国に“華流”が到着したことで、韓国での中国ドラマのリメイクは挑戦と未知に満ちた新しいトラックへと進んだ。

中国国内では韓国ドラマ、日本ドラマ、アメリカドラマ、その他の海外ドラマのリメイクが盛んになり、無数の映画・テレビ会社がそれに群がった。特に韓国ドラマはリメイク数が最も多く、話題性も高く、影響力が大きかった。加えて国際的にも韓国ドラマ需要が高く、中国の“文化輸出”は長期的な赤字続きとなっていたが、「琅琊榜 ~麒麟の才子、風雲起こす~」が韓国で高い評価と人気を獲得したことにより、中国ドラマは韓国で大発展を遂げる。

現在では「蘭陵王」「永遠の桃花~三生三世~」といった時代劇から「マイ・サンシャイン ~何以笙簫默~」「シンデレラはオンライン中!」などの現代劇まで、多くの中国ドラマが韓国でも人気を集めており、その中でも「陳情令」は、放送されると韓国でもネット上で話題となり、ドラマのフォロワーも多数出現した。

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より多くの中国ドラマが国際市場で認められるための最初のステップは、テーマやアイデアの観点から作品の価値を高め、ユニークでかけがえのないものにすることだろう。価値の向上は著作権の輸出の鍵であり、価値のある作品だけがより多くの人々に見られ、好かれ、より大きな影響力と派生的価値を得ることがでる。2番目のステップは、優れた脚本だけでは不十分であり、優れた脚本と、制作、サービス、俳優の選択などの完璧さを追求すること。3番目のステップでは、プロデューサーは中国人の美的センスを伝えるだけでなく、主流の国際文化の美的感覚と普及経験に適合したテレビドラマを積極的に探求し、制作する必要がある。

つまり、文化を双方向で発展させることが、中国ドラマの影響力を拡大するだけでなく、テレビドラマ市場の発展を促進するための内的要因と原動力となり、それが自国(中国)の文化的自信を強化する唯一の方法でもあるだろう。


引用元:wechat Vlinkage / 公式アカウント:「Vlinkage」
記事タイトル:「华流抵韩,电视剧反向输出前路可期 」

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翻訳・編集:Cinem@rt編集部

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