2020年 火災件数減 長崎市消防局 損害2.8億円大幅増

 長崎市消防局は、2020年中に管内(長崎市、西彼時津町、長与町)で発生した火災の概況(確定値)を公表した。火災件数は91件で、前年に比べ2件減ったものの、JR浦上駅前で飲食店が全焼するなど、大規模な建物火災が目立ち、建物や収容物などの損害総額は約2億8200万円に上り、前年(約8900万円)を大きく上回った。
 市消防局によると、20年に管内で発生した建物火災は62件。焼損面積の合計は3898平方メートル(前年2111平方メートル)、1件当たりでは62.9平方メートル(同36.4平方メートル)で、いずれも前年より増加した。10月にはJR浦上駅前の同市岩川町で、飲食店「割烹ひぐち浦上本店」など3棟を全半焼。8月にも同市京泊3丁目で水産会社の工場を焼く火災があった。
 原因別にみると、「電気器具・配線」が18件で最も多く、「たき火」(13件)、「放火(疑い含む)」(9件)、「たばこ」(8件)と続いた。死者数は3人で、前年に比べ3人減少。市消防局は引き続き、住宅用火災警報器の設置、点検を呼び掛けるなどして予防に力を入れる方針。
 また救急・救助の概況も公表した。救急出動件数は2万4517件(前年比1022件減)、搬送人員は2万1853人(同630人減)。救助出動件数は196件(同11件減)で、救助人員は134人(同19人減)だった。

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