ブルーハーツ「ラインを越えて」大人になった今こそ突き刺さるマーシーの歌詞 1987年 11月21日 ザ・ブルーハーツのアルバム「YOUNG AND PRETTY」がリリースされた日

ブルーハーツ「YOUNG AND PRETTY」に収録された真島昌利の歌

ザ・ブルーハーツのアルバム、『YOUNG AND PRETTY』が発売されたのは1987年11月21日。当時のブルーハーツの人気は、それは凄いものだった。彼らの歴史等についてはもっと詳しい方に譲るが、当時のブルーハーツには勿論アンチも多かった。私もアンチの一人で、尾崎豊やブルーハーツのようなストレートな歌詞は妙に恥ずかしく聴こえてきたからだ。だが、実は何だかんだ心の中では認めていた人も多かったように思える。

私もアンチという名のファンだったのかもしれない。特に真島昌利… マーシーの歌う曲は素晴らしく、彼の曲だけは何回もリピートしていた。

「ラインを越えて」大人になった今だからこそ突き刺さる歌詞

このアルバムに収録されている「ラインを越えて」という曲は、歌詞が大人になった今こそ突き刺さる。

 言い訳ばっかりうまくなり
 責任逃れで笑ってる
 満員電車の中
 くたびれた顔をして
 夕刊フジを読みながら
 老いぼれてくのはごめんだ

 机の前に座り
 計画を練るだけで
 一歩も動かないで
 老いぼれてくのはごめんだ

大人になった私にとっては、ぐうの音も出ない歌詞内容。これは私だけではないはずだ。たとえば80年代の子供たちは政治に関してはノンポリというか、興味がないどころか嫌悪感があった人が多かったはず。だが “なりたくない大人” になった今、ネットだのなんだので政治に対し色々言っている。

自分は何もしないくせに政治の話を周りにふりまいたり、自分に都合の良い媒体をわざと選んで読んだり聞いたりしている。そのくせ都合の悪い情報はシャットアウトする。

PCやスマホを前にして政治や世の中に対する不満を書き込みながら、現実では何も変わらない毎日を送っていたりする。人生を豊かにするために計画を練るものの「毎日が忙しい」という言い訳を自らに植え付けてたりもする。

80年代の子供たちよ、大人になって大事なことは何だろう?

繰り返すが80年代の子供たちはそんな大人を “かっこ悪い” と思っていたはず。たとえば、ヨレヨレのスーツを着たオッサン、恋愛を自らあきらめているくせにモテない理由を異性のせいにする奴……。

そんな大人たちが口にするのは決まって「時間がない」「子供がいる」などの言い訳ばかり。彼らはそんな言い訳を正当化する。もっとも、正当化(言い訳)してもしていなくても、その裏に存在する “責任” というものに振り回される大人がなんと多いことか…。

大人だからこそ日常生活において「大事なことは何だろう?」と絶えず考えないといけない。そんなときにこそ、この曲「ラインを越えて」をリピートするのをオススメしたい。

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※2019年12月2日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: 鳥居淳吉

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