背番号変更の巨人・戸郷に「今度こそ20で定着してほしい」の声 その意外な“理由”とは…

「20」が定着するか

昨季9勝を挙げた巨人の次代エース候補・戸郷翔征投手(20)が沖縄春季キャンプで連日、汗を流している。飛躍が期待される右腕にチーム内からは「今度こそ背番号20で定着してほしい」との声が上がっているが、その意外な理由とは…。

南国の空の下、背番号20が躍動している。高卒2年目で1年間ローテを守り、エース菅野の14勝に次ぐ9勝をマーク。今キャンプでは新任の桑田投手チーフコーチ補佐から「一番厳しくしたい」と“強化指定”され、直球の制球力向上を目指している。

3年目シーズンへ期待は高まるばかりで、原監督からはDeNAとの開幕2戦目(3月27日=東京ドーム)での先発を言い渡された。「期待の中でやるというのはうれしいこと。今年もいい結果が出せれば」と本人も意気に感じている。

そんな二十歳の若武者に球団内からは「1年目は68番、2年目は13番と戸郷の背番号は毎年変わっている。3度目の今度こそ定着させてほしい」と熱望する声が上がっている。それにはこんな理由が…。

13番を背負った昨季、球団内で戸郷と劇画「ゴルゴ13」(作者さいとう・たかを)の夢コラボが温められていたという。「13」つながりで主人公「デューク東郷」に対しての「戸郷」に加え「マウンドで表情を一切変えない戸郷のクールなところがゴルゴを思わせる。三振を奪うスナイパーという側面もある」(球団関係者)と、さまざまなグッズ展開も練られていた。

実際に球団は昨季、助っ人ウィーラーとアニメ「ハクション大魔王」のコラボを展開。球場では登場時にアニメ映像が流れ、ウィーラーが活躍するたびに「ハクション大魔王」が公式ツイッターでつぶやいた。放映権を持つ日本テレビで新作アニメが放映されており、グッズ製作もすんなりと実現した。

だが戸郷の場合、現場レベルが動いたものの、主人公が「殺し屋」である点など、クリアすべきハードルが多かった。そこに今季、FAでDeNAから梶谷が加入。「Aロッドが好き。2桁の野手に憧れていた」との希望で「13」が選ばれた。

背番号変更でコラボは白紙となったが、戸郷本人は20番を気に入っている。巨人では定岡正二、マシソンが背負ったほか「北別府(学)さんのイメージ」(戸郷)と出身地の宮崎・都城農高卒の広島のレジェンド右腕の背番号として、なじみが深いという。

今季も戸郷を含め18選手が背番号変更となるなど、シャッフルはチーム方針。それでも戸郷が目標である「15勝」をクリアできれば20番を背負い続けれるだろう。本人も「3年連続で(背番号が)変わっているので、何とか定着した番号が欲しい」と意気込む。

球団としても「戸郷=20」のイメージが固まってくれれば、今後のグッズ展開もしやすくなる。「デューク戸郷」は幻に終わったが、右腕には熱い視線が送られている。

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