対馬の魅力『フラッグ』に 地元中高生が原画制作

自分が担当した「対馬の四季」の観光フラッグを手に持ち、記念撮影する上対馬高と比田勝中の生徒=対馬市上対馬町、比田勝港埋め立て地

 新型コロナ禍などで景気が落ち込んでいる上対馬を盛り上げようと、長崎県対馬市は地元の中高生に原画を依頼した「観光フラッグ」43枚を同市上対馬町比田勝の街頭に掲示している。フラッグには対馬名物の動植物が鮮やかに描かれ、風にはためきながら通り沿いを彩っている。
 同町には日韓航路発着点の比田勝港があり、かつては多くの韓国人観光客らでにぎわっていたが、日韓関係悪化に伴い2019年夏以降は客足が減少。さらに日韓両国での新型コロナ感染拡大に伴い、昨年3月からは国際航路そのものが運休。地元イベントも相次いで中止され、国道沿いのメインストリートでも閉まっている店が多くなってきている。
 こうした中、市は同町内にある市立比田勝中と県立上対馬高に対馬の四季をイメージしたイラスト制作を依頼。昨年11月までに原画が寄せられ、春は「ツシマヤマネコとヒトツバタゴ」「対州馬と桜」など、市は一つの季節につき2種類を防水シートに印刷。比田勝港国際ターミナル前から同市上対馬振興部までの約1キロの国道沿いに、15日から飾っている。
 18日はイラストを担当した中高生8人が、国道沿いの比田勝港埋め立て地に集まって記念撮影。冬の「ツシマテンと椿」を担当した上対馬高美術部部長の江上朱理(あかり)さん(17)=3年=は「冬毛の白いテンと、雪が降り積もった赤いツバキの花を描いてみた。対馬の自然の美しさをみんなに見てもらい、元気を出してもらえたら」と話した。

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