【全豪OP制覇】〝女レインメーカー〟大坂なおみ 年収80億円に倍増も

全豪オープンを制した大坂なおみに〝カネの雨〟が降る!(ロイター)

〝女レインメーカー〟の誕生だ。テニスの全豪オープン女子シングルスで2年ぶり2度目の優勝を果たした大坂なおみ(23=日清食品)が「金字塔」に突き進む。今回の優勝で4大大会4度目の制覇となり、世界ランキングは2位に上昇。早くもグランドスラム達成の期待がかかる一方で、現在約40億円とされる収入にも注目が集まる。その稼ぎは今の倍以上に増えるともささやかれており、あの大物アスリートを超える可能性も出てきた。

世界のナオミがカネの雨を降らせる――。いまやテニス界のみならず、全スポーツ界が大坂の商品価値に注目している。その〝大坂マネー〟は今回の優勝で青天井になる勢いだ。

全豪の決勝戦ではジェニファー・ブレイディ(25=米国)を6―4、6―3のストレートで撃破。優勝賞金約2億3000万円をゲットし、4大大会は昨年の全米オープンに続く2連勝。さらに昨年8月から21連勝(試合前棄権を除く)と手のつけられない強さを誇っている。

まだ23歳という年齢を考えると、末恐ろしい。今の勢いなら4大大会全制覇に東京五輪金メダルを加えた「年間ゴールデンスラム」への夢も広がる。この偉業を達成すれば元世界女王シュテフィ・グラフ以来、史上2人目の快挙。まさしく歴史に名を刻むことになる。

そうなると、必然的にアップするのが収入面だ。米経済誌「フォーブス」によれば、大坂の年収は2019年が約25億円、20年は約40億円。昨年は全世界のスポーツ選手の中で29位で、女子アスリートとしては史上最高額の1位に輝いた。しかも、この数字は昨年の全米オープン制覇前に発表されたもの。テニス界のスポンサー事情に詳しい関係者は「昨年の全米オープンでは人種差別抗議行為が世界中で称賛され、さらにプレーヤーの価値を上げました。そして今回の優勝。年収は倍になっても不思議じゃないですよ」と指摘する。

現在、大坂にはメインスポンサーの日清食品のほか、ウエア契約を結ぶナイキ、ラケットなど用具支援を受けるヨネックスのほか、日産自動車、マスターカード、資生堂、ANAなど世界的一流企業がズラリ。さらに、今年に入ってスイスの高級時計「タグ・ホイヤー」、フランス高級ブランド「ルイ・ヴィトン」、米大手企業「ワークデイ」と立て続けに3社のアンバサダーに就任した。

今後のさらなる活躍次第では、年収倍増の約80億円も十分に現実味を帯びてくる。そうなれば、ゴルフのタイガー・ウッズ(45=米国)の約67億円(昨年全体8位)を超え、テニスのロジャー・フェデラー(39=スイス)の114億円(1位)、サッカーポルトガル代表FWクリスチアーノ・ロナウド(36=ユベントス)の112億円(2位)、同アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(33=バルセロナ)の111億円(3位)にも〝肉薄〟。そうそうたる顔ぶれがひしめくトップ10入りも夢ではない。

本紙が報じた通り、大坂がナイキと共同製作したシューズを試合中に着用すればSNSで一気に拡散されて購入希望者が続出し、ヘッドホンやアクセサリーなど身に着けたものはたちまち人気となるなど影響力は絶大。一方で、今大会の優勝直後のオンコートインタビューで相手のブレイディの呼び方を言い間違えてネット上で炎上したのも、注目度の大きさの裏返しと言えるだろう。

いずれにせよ、〝女レインメーカー〟は単なるテニスプレーヤーの枠を超え、名実ともに世界の「顔」になったと言えそうだ。

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