1回で2億円超の“集金”実績も!麻生派パーティー4月強行の裏

麻生派会長の麻生太郎財務相

ワクチン接種が始まったウラで“春の宴”の準備がシレッと進んでいた。麻生太郎財務相(80)率いる自民党第2派閥の麻生派(志公会)が4月中旬に都内のホテルで政治資金パーティーを開催することが分かった。首都圏は3月7日まで、緊急事態宣言が続く方向だが、4月になれば新型コロナの新規感染者数は激減すると見込んでいるのか? ワクチン接種を担当する河野太郎行政改革担当相(58)を擁する麻生派だけに世間から批判されそうだ。

麻生派は会長の麻生氏を筆頭に、コロナのワクチン接種で陣頭指揮を執る“ワクチン大臣”こと河野氏、甘利明税調会長(71)、有名どころでは元SPEEDの今井絵理子参院議員(37)が所属する。

ワクチン接種がスタートした今月17日ごろから、麻生派パーティーのアナウンスが水面下でちゃっかり始まった。本紙が入手した「『志公会と語る夕べ』ご案内」と題された文書は河野氏名で記されているものだ。4月某日(文書では日付を明示)、午後6時半から都内ホテルの大広間で開会。会費は2万円だ。「この催しは政治資金規正法第8条2に規定する政治資金パーティー」と明記されてある。

新型コロナの感染拡大を防ぐ観点から、立食ではなく「着席でのセミナー形式」「飲食物のご提供、写真撮影、握手等はご遠慮」と簡素化する。

これまでは同派所属で麻生氏の最側近として知られる“政界のマツジュン”こと松本純衆院議員(70)が事務局長としてパーティーの“幹事”を務めてきたが今月、銀座クラブ通い問題で離党した。

「松本氏の問題が起きたせいで、今回のパーティーは超ピリピリモードで準備が進んでいます」(永田町関係者)

ただでさえ政治資金パーティーには国民から批判の目が向けられる。昨年は新型コロナが猛威を振るっても各派、各議員のパーティーは政財界の関係者を数百人~数千人単位で招き決行。ネットユーザーから「こっちは我慢してるのに!」「クラスターが発生したらどうするんだ!」と叩かれた。

それでも“宴”はやめられない。1回のパーティーで莫大な会費を徴収し、それを財源に各議員は政治活動に充てるからだ。特に今年は秋までに行われる衆院解散・総選挙を控えており、選挙活動に多額の費用がかかる。批判されようとも背に腹は代えられない。

麻生派パーティーの集金力は党内随一だ。コロナ禍前の2019年の政治資金収支報告書をひもとくと、1回のパーティーで2億2848万円もかき集めた。昨年7月のパーティーでは1000人超を動員。今回も同じ会場を使うため1000人超来場しそうで“密パーティー”になりそうだ。

前出関係者は「選挙はカネがかかります。いわゆる選挙への“エントリーフィー”といわれる供託金をはじめ、選挙運動のスタッフ人件費、事務所費、印刷費など、1人の立候補でおおよそ1000万円超。当選して政治活動を続けるために、各議員はパーティーでの集金に依存せざるを得ないんです」と釈明する。

一方、野党関係者は「自民党の派閥のパーティーは5~6月が多い。麻生派のパーティーが4月ということは、それまでに感染者数は相当少なくなっていると見込んでいるでしょうね」と皮肉を交えて指摘した。

派閥会長の麻生氏事務所にコメントを求めたが、回答はなかった。

© 株式会社東京スポーツ新聞社