国見14年ぶり優勝 九州高校U17サッカー 

【男子決勝、国見-佐賀東】前半15分、国見のMF北村(中央)が中盤で激しく競り合う=島原市営陸上競技場

 サッカーの九州高校U-17大会最終日は22日、島原、雲仙両市で男子の準決勝、3位決定戦、決勝、女子の3位決定戦、決勝が行われ、県勢は男子第1代表の国見が準決勝で神村学園(鹿児島1位)を1-0、決勝で佐賀東(佐賀1位)を3-0で下して、2007年以来14年ぶり12度目の優勝を飾った。県勢の九州制覇は17年の長崎総合科学大付以来。女子の鎮西学院は4位だった。
 男子準決勝の国見-神村学園は、スコアレスのまま迎えた後半29分、途中出場した国見のFW利根がペナルティーエリア手前の混戦から右足でGKの頭上を狙い、決勝ゴールを奪った。佐賀東-東福岡(福岡1位)は、1-1からのPK戦5-3で佐賀東が勝ち上がった。
 決勝の国見-佐賀東は、国見が前半24分、DF村田とのパス交換から右へ抜け出したMF田崎がクロス。FW川添が倒れ込みながら左足で流し込んで先制した。28分は田崎がCKのこぼれ球をミドルから狙って2点目。後半27分には利根が豪快なミドルシュートを決めた。3位決定戦は神村学園が東福岡に2-0で勝った。
 女子3位決定戦の都城聖ドミニコ学園(宮崎)-鎮西学院は、鎮西学院が前半2分にFW山下のゴールで先制したが、後半23、30分に連続失点。1-2で逆転負けした。決勝は東海大福岡が神村学園(鹿児島)に0-0からのPK戦5-4で競り勝った。
 男女とも上位2校は国内強豪チームが参加するサニックス杯(男子3月18~21日、女子29、30日・福岡)への出場権を得た。

◆強豪連破で王座奪還
 並み居る強豪を押しのけ、国見が地元島原半島で九州チャンピオンに返り咲いた。一発勝負の決勝トーナメントは、それぞれ年代別日本代表を擁する神村学園(鹿児島1位)と佐賀東(佐賀1位)を堅守で連破。予選リーグを紙一重で突破したチームが、試合を重ねるたびに力をつけ、一気に頂点まで駆け上がった。
 臨機応変な対応力が光った。4強入りした他校の力を見ると、どこと戦っても技術面で劣る相手ばかり。ならばと割り切り、攻撃的サッカーから堅守速攻に方針転換。準決勝の神村学園戦は前半シュートゼロながら、GK緒方を中心に隙を見せずに守り、終了間際の一刺しで番狂わせを演じた。
 佐賀東との決勝も、小刻みにつないでくるテクニック集団に慌てず対処。鮮やかに崩されても最後の局面で自由を与えず、逆に手数を掛けない攻めでゴールを量産した。相手キーマンと対峙(たいじ)したMF北村は「個人の部分では負けていた。でも、チームで勝つための戦いを徹底できた」と勝因を挙げた。
 ただ「ここが最終目標じゃない」と木藤監督は気を引き締める。まだ強豪校に真っ向勝負で太刀打ちできないことが分かった。これからは県内でも追われる立場に立つ。「もっとやらなければいけない」。新チーム最初の上位大会で得た結果と自信を糧に、さらなる高みを目指していく。


© 株式会社長崎新聞社