小学校歌 吹奏楽用に編曲 佐世保東翔高生 母校など51校分を公開

自分たちで編曲した小学校の校歌の動画をPRする生徒たちと中村教諭(前列右から3人目)=佐世保市、佐世保東翔高

 佐世保市重尾町の県立佐世保東翔高(354人)の2、3年生約50人が、吹奏楽用に編曲し、演奏・録音した市内の小学校の校歌を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。
 同校は毎年、吹奏楽コンクールに出場したり、市内の小学校で訪問演奏を実施しているが、新型コロナ禍で多くが中止となった。そこで、同校の生徒や地元の小学生に何か別の思い出をつくってあげたいと、吹奏楽部顧問の中村明夫教諭(48)が発案した。
 昨年6月以降、小学校の校歌を順次編曲している。作業に取り組んでいるのは授業で音楽科目を受講する生徒たち。初めての経験で手探りの中、主旋律のメロディーと、それを補助する飾り伴奏、ハーモニー、パーカッションの4パートに分かれ取り組んでいる。
 生徒たちにとってなじみ深いそれぞれの出身校を中心に編曲。初めのうちは1曲約2時間かかっていたが、次第にこつをつかみ、最近では30分で仕上げられるようになった。今年1月には、編曲をした小学校の子どもたちから感謝の手紙が届いた。
 3年生の山崎瞳さん(18)は「コロナで気落ちしていたが、この取り組みでピンチをチャンスに変えることができると学んだ。人を喜ばせることもでき、音楽をやってきてよかったと思った」と笑顔で話す。
 中村教諭は「生徒たちにとって、自分たちの取り組みがネット上に残れば誇りにもなる。コロナが落ち着いたら、ぜひ編曲した校歌を生演奏し、子どもたちの歌声と合わせたい」と優しい表情を浮かべた。
 現在、51校分の校歌を投稿。ユーチューブ内のチャンネル名は「日本吹奏楽指導者協会長崎県部会」で再生リスト「校歌作成プロジェクト」で視聴できる。

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