大崎高の“代打”演奏 垣根越えた校歌をアルプススタンドで 小浜高・吹奏楽部

大崎高の校歌を演奏する小浜高吹奏楽部の生徒=雲仙市、小浜高

 長崎県雲仙市の県立小浜高(藤原勝志校長、151人)の吹奏楽部が10日、春の選抜高校野球大会に出場する西海市の県立大崎高(酒井俊治校長、113人)からの依頼を受け、大会で放送される大崎高の校歌を演奏、収録した。小浜高吹奏楽部顧問で声楽専攻の小嶺政和教諭(39)が独唱する音声と、吹奏楽部の演奏を重ねてCDに録音し、13日に大崎高に届ける。

大崎高の校歌の演奏を指揮する小嶺教諭。独唱する歌手も務めた=雲仙市、小浜高

 今月1日、大会事務局から大崎高に校歌CDなどの提供要請があったが、同校には校歌を録音したCDがないため、声楽専攻の音楽教諭が顧問を務める小浜高吹奏楽部にCD制作を依頼した。
 小浜高吹奏楽部員は4日に楽譜を受け取り、集中的に練習。10日の演奏収録は小浜高音楽室で、部員6人や卒業生ら計9人が小嶺顧問の指揮の下、甲子園球場に響き渡るような力強い音色を奏でた。吹奏楽部の荒木詩音部長(17)=2年=は「練習量は少なかったけど、県代表の大崎高野球部のために精いっぱいの演奏ができた」と満足そうな笑顔を見せた。
 小嶺顧問が11日に自身の独唱を収録し、演奏と重ねて編集。「小浜高にも全国を目指す熱い球児がいるので協力したかった。吹奏楽部の生徒にとっても貴重な経験ができたと思う」と感慨深げに話した。
 大崎高の本田美緒子教頭は「地域の垣根を越えて協力いただき感謝している。まずは1勝して、小浜高の演奏に合わせて校歌を歌いアルプススタンドに響かせたい」と話している。

 


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