今夏に延期されたサッカー欧州選手権(ユーロ)の決勝で9万人の観客を収容する可能性が出てきた。
欧州選手権を巡っては現在の12か国・地域による共催から英国単独開催案が出ているが、どちらにしても決勝(7月11日)の舞台はウェンブリースタジアムとなる予定だ。新型コロナ禍でスポーツイベントは無観客や厳しい人数制限のもとで行われているが、英紙「サン」は「NHS(英国民保健サービス)のアプリを使用して誰が予防接種を受けているのかを示す計画のもと、ウェンブリースタジアムがユーロ決勝で9万人のファンでいっぱいになるだろう」と報じ、観客を最大収容人数までフルに入れて開催する見通しとなった。
英国のボリス・ジョンソン首相は22日に現在イングランドで実施している新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)を段階的に緩和していくことを発表。スポーツイベントも人数を制限しながら有観客で行われる方針となっている。
そうした中で英政府内では、NHSが開発したアプリが普及して陰性を証明することで多くの観客を収容できるとの見解が出ており「ワクチンパスポートへの政策転換を背景に、スポーツ大臣のオリバー・ダウデンと彼のチームが水面下でアプリの技術計画に取り組んでいる」と同紙は報じた。
9万人の収容となればもちろん新型コロナ禍のイベントで最大の集客となるが、感染の収束が見えない中で議論を呼びそうだ。