五島旅客船が新フェリー「OCEAN」 若松-福江 3月22日に就航

五島旅客船が若松-福江に投入する新造カーフェリー「OCEAN」(井筒造船所提供)

 安田産業汽船グループの五島旅客船(長崎市)が3月22日に五島列島の若松-奈留-福江に投入する新造カーフェリー「OCEAN(オーシャン)」(431トン)が25日、長崎市戸町4丁目の井筒造船所で関係者に披露された。
 同航路は上五島と下五島を結ぶ唯一の航路として島民の生活や流通を支え、世界文化遺産の教会群を巡る観光ルートにもなっている。2019年度は約11万人が利用した。
 27年間運用し老朽化した「フェリーオーシャン」(396トン)を更新。総投資額約12億円のうち9割を、共同所有する鉄道建設・運輸施設整備支援機構(横浜市)がいったん拠出し、五島旅客船が11年かけて返済する。
 新船は全長53メートル。乗客168人、乗用車12台を積載可能で大型バスにも対応。キッズルームを新設し、じゅうたんの客室を増床。エレベーターや車いす幅のタラップ(奈留港で使用)を採り入れ、バリアフリーを進めた。Wi-Fiや各席にコンセントも配備。安田由美子代表取締役は「上品で落ち着いた雰囲気。快適な船旅を楽しんでもらえれば」と話した。
 漁船建造を得意とする井筒造船所がフェリーを手掛けたのは5年ぶり。吉原隆社長は「今後も船主の多様な要請にきめ細かく応えていく」としている。

落ち着いた雰囲気のOCEANの旅客室。奥にキッズコーナーもある

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