【ジャンプ】高梨沙羅がまさかの銅メダル 1・6メートル差で世界選手権初Vならず

高梨はまさかの銅メダル(ロイター)

【ドイツ・オーベルストドルフ25日(日本時間26日)発】ノルディックスキーの世界選手権第2日、ジャンプ個人ノーマルヒル決勝(ヒルサイズ=HS106メートル)で高梨沙羅(24=クラレ)は合計276・3点で3位。初の優勝はならなかったものの、個人としては銅メダルを獲得した2017年以来となる2大会ぶりに表彰台に上がった。279・6点のエマ・クリネツ(22=スロベニア)が初優勝。平昌五輪金メダルのマーレン・ルンビ(26=ノルウェー)が高梨を0・2点上回って2位となった。

前日の予選を1位で通過した高梨は1回目のジャンプで104メートルを飛んで、首位と2・2点差の140・5点をマークする。

風の状況が目まぐるしく変わる中で飛んだ2回目は100メートルで135・8点とする。

優勝したクリネツは距離で105メートル、100・5メートルとそれほど変わらなかったものの、1回目のジャンプで着地が乱れた高梨とは得点で141・7点、137・9点と差が付いた。

W杯通算で60勝の高梨は、平昌五輪では銅メダル。世界選手権では13年の2位が最高と、この2大会では個人での優勝には届いていなかった。

北京五輪を1年後に控えた今季は、昨年12月のW杯開幕戦で3位と好発進する。

今月5日の第5戦ではスーツの規定違反によりまさかの失格となったが、この時は1回
目のジャンプで全体トップ。予選も1位で通過しており、調子は良かった。

そのことを証明するように翌6日の第6戦で初勝利を挙げると、7日の第7戦も制して2連勝。第9戦(19日、ルーマニア)の3勝目で男女を通じて歴代最多の通算60勝目をマークして今大会に乗り込んできた。

下馬評も高く、来年の五輪へ弾みをつける勝利が期待されていた。

それだけに、やはり3位だった17年大会以来の表彰台にも「正直、何とも言えない気持ちでいっぱい」と複雑な表情を見せる。

「風の状況が目まぐるしく変わり、誰が勝つかわからない中ではあったが、自分のやるべきことはできたと思う」と振り返った高梨は「神様がいるんだとすれば、もっと頑張れということだと思う」とも話した。

今大会からは個人ラージヒル(3月2、3日)が採用されたことで、個人種目での金メダル獲得のチャンスは残っているとあって「変わった自分を見せられるように頑張って準備したい」と気持ちを切り替えた。

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