イチゴ自販機、「手軽に買えるのがいいね」 新たな販売方法を取り入れ

自販機を設置してイチゴを販売する杉山さん=平塚市小鍋島

 イチゴを扱った自動販売機が、平塚市小鍋島の「すぎやまいちご園」に登場した。新型コロナウイルスの影響で苦しい経営が続いているが、新たな販売方法を取り入れて苦境を乗り越えようとしている。

 ビタミンCが豊富で濃厚な味が特徴の品種「おいCベリー」を1パック450~650円で販売している。地元の男性(72)は「時間に関係なく、手軽に買えるのがいいね」と話し、よく購入するという。

 感染拡大が進む中、同園を経営する農家杉山圭一さん(61)は昨年12月、直売所で客との接触を避けるために自販機を設置。赤と白を基調とした自販機は、イチゴをイメージしたようなかわいらしいデザイン。物珍しさから市外の客や子ども連れも増えたという。直売所での販売時間外にも売れるほか、接客する時間を作業に充てることもでき、杉山さんからは「“ベリー”グッド」とジョークも。

 同園はイチゴ狩りの人数を制限しており、収入は例年より2割ほど落ち込でいるという。杉山さんは「厳しい状況だけど、いろんなことに挑戦して新たな客層を開拓したい」と意気込んでいる。

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