“男前”の顔に泥… 阪神・藤井コーチ「カッコいい大賞」捕手陣ゼロを嘆く

ボールカゴを持つ藤井コーチ(右)

このままでは、せっかくの男前が廃るというものだ。阪神・藤井彰人バッテリーコーチ(44)が“直属の部下”である捕手陣にさらなる奮起を促している。今キャンプでは選手のモチベーションアップと話題作りの一環で矢野監督が「きょうのカッコいい大賞」を選定しているが、ここまで捕手の受賞はゼロ。藤井コーチは「まだいないんだよな。寂しいよね。誰かに取ってほしいよ」と悔しい思いをしている。

今キャンプは27日の中日戦(北谷)、28日のヤクルト戦(浦添)の練習試合2試合とセレモニー的な3月1日の練習を残すのみ。チームとしては実戦9試合で打率4割超のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手(21=近大)が期待以上のポテンシャルの高さを見せつけ、完全復活へ順調に結果を積み重ねる藤浪、定位置再奪取へ並々ならぬ決意で臨む高山が猛アピール。いずれも「カッコいい大賞」に選ばれてきた。

そんな活気あるキャンプで、現役時代に「自分は顔しか取り柄がない」と公言してはばからなかった藤井コーチが担当する捕手陣だけが同賞とは無縁だった。同コーチはドラフト4位ルーキー・栄枝裕貴捕手(22=立命大)らの成長に「依然、ウチの捕手陣の中で梅野が抜けた存在であることは事実だけど層は厚くなってきた」と手応えを感じつつも、いまだ捕手が「カッコいい大賞」に選ばれていないことは気がかりなようで「栄枝とかが(残りの練習試合で)アピールしてくれれば」と期待を寄せる。

藤井コーチにとっての「男前」の定義は「チームから信用される男」。捕手としての一番の仕事は「投手とチームを勝たせること」と言う。元祖男前の顔にこれ以上泥を塗るわけにはいかない。虎捕手陣の“カッコいい奮起”に注目が集まる。

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