コロナ下のJ1開幕、応援はマスク&手拍子 等々力に5000人、ビジターは空席

選手の熱いプレーに、サポーターらの拍手が鳴り響いた=等々力陸上競技場

 サッカーの明治安田生命J1リーグは26日、川崎市中原区の等々力陸上競技場で川崎フロンターレ-横浜F・マリノスの1試合が行われ、29年目のシーズンが開幕した。昨季に続いて新型コロナウイルスの影響で多くの制約を受ける中、上限5千人分のチケットは早々に完売。マスク姿のファンらが手拍子で選手を後押しした。

 前年王者のフロンターレと一昨年覇者のマリノスが激突する「神奈川ダービーマッチ」は例年、満員必至の人気カードだ。ただ、政府の大規模イベント開催指針に従い、観客数を制限。来場者は前後左右の間隔を空けて着席し、収容2万5千人のスタジアムは市松模様に埋まった。

 同市宮前区の会社員の男性(36)は娘(1)と来場。日程が決まった直後に有給休暇を申請し、この日に備えてきたという。「やっと来たという感じ。後援会に入っていても前売チケットは一瞬でなくなったので、きょうは来られてよかった」と笑顔を見せた。

 緊急事態宣言が3月7日まで延長された影響で、試合開始時間は当初より1時間前倒し。午後6時にキックオフされた。同市中原区の会社員の男性(42)は家族4人で観戦する予定だったが、「奥さんは仕事が終わってからなので後半からになる。しょうがないです」とうなずいた。

 リーグの規定でビジター席を設けることもできず、同じ神奈川を本拠地とするマリノス側のサポーターの姿はなかった。同区在住の40代の女性は「来られないマリノスファンの分も含めて、手拍子でしっかり応援したい」と話した。

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