江蘇FC破綻 オーナー同じ名門インテル売却の可能性は…

現在セリエAで首位を走るインテル(ロイター)

中国1部の江蘇FCが事実上破綻したことで、同じオーナーが保有するイタリア1部の名門インテルへの影響は――。

江蘇FCが運営停止となった背景には、親会社である小売り大手の蘇寧グループが新型コロナ禍により本業で経営難に陥っている実態がある。そうなると同じ蘇寧が保有するインテルで身売りの動きが出てきてもおかしくない。

中国紙「網易ニュース」は「インテルの蘇寧の株式は現在9億ユーロ(約1150億円)の価値がある。100年の歴史を持つクラブで世界中に多くのファンがおり、欧州チャンピオンズリーグ(CL)でも実績があることから、親会社の宣伝に役立つ」と報道。江蘇FCとは違ってクラブで多額の収益が見込めるため、即座に売却の意思はないという。

ただ、それも当面の間だけのようだ。

「蘇寧が多額のお金を費やしているのは、彼らが欧州のサッカーを愛しているからではない。多額の投資をしているからだ。インテルのブランド価値をより高いレベルに引き上げれば、チーム、選手、スタッフすべて最適な価格で売却できる。最終的な目標は、より質の高い売却先を探して、より多くの資金を回収することだ」と指摘。できるだけ利益を生み出し、本業の建て直しのための資金も確保したいとの目論見が見え隠れする。

同国紙「新浪財経」も「蘇寧は過去5年間にインテルに7億1200万ユーロ(約900億円)を投資した。これには債務の償却に費やさなければならなかった3億7500万ユーロ(約470億円)が含まれていない。これらの数字に基づいて、スニングはインテルミラノを少なくとも10億ユーロ(約1270億円)以上で販売したいと考えている」と売却方針を分析。その上で「現在、英国のBCパートナーズが買収のために7億5000万ユーロ(約950億円)のオファーを出しているが、まだ合意に達していない」と水面下で売却交渉が進められていると報じている。まだ両者の希望額に開きがあるため、今後協議を継続して合意に至る可能性がある。

この交渉を含め、今後蘇寧側の設定額に応じるオファーがあれば、インテルも売却することになりそうだ。

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