【高校発みやざきSDGs】ー6ー飯野高(上) 重要な地域人材育成

京町温泉みなほ会と温泉郷の雰囲気づくりに向けた提灯づくり。地域住民と共創する取り組みが広がっている

 「今度の地域プロジェクトについて先生の意見を聞かせてください」。ここから始まる私と生徒との「対話」は、しばしばこれからの地域のことに話が及ぶ。国の第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」にある地方創生SDGsの実現は持続可能なまちづくりや、グローカルな視点で動く(地球規模の視野で考え、地域視点で行動する)ことが求められている。
 注目されているのが本校の取り組みだ。昨年度より文科省「地域との協働による高等学校教育改革事業(地域魅力化型)」の指定校として、えびの市や地域の事業者による強力なバックアップの下、探究学習が展開されている。生徒は身の回りや地域の課題を自ら解決策を考え、実践するプロジェクト型学習で学ぶ。
 例えば、地域の活性化を観光面から考えたいと、「京町温泉みなほ会」と協働して温泉郷の雰囲気づくりを探究した生徒は、海外の大学で温泉文化について学んだ。加えて自分がよりソーシャルイノベーションを起こす地域の人材となるためには、自身が将来にわたり地域社会に貢献できる力を育成する必要性を強く感じた。
 本校とえびの市は、このような人材を輩出する取り組みを共創している。中山間地域が大部分を占める本県で高校による地域人材の育成は極めて重要だ。本校では地域での学びが生徒の将来にも結び付き始めている。「地域×高校」の生徒たちの活動に今後もぜひ注目していただきたい。
 (指導教諭・梅北瑞輝)
=日曜日掲載=

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