諫早の未来 市長選政策を読む<2> 人口減少対策 大久保氏「独自の都市計画を」、山村氏「10年後に1万人増」、宮本氏「『為・職・住』充実へ」

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人口減少対策

 長崎県内第3の人口規模を誇る諫早市。今年1月の推計人口約13万3700人は、2005年3月の市町合併当時と比べ、1万人余り減少した。減少幅は緩やかとはいえ、少子高齢化に伴う人口減少を食い止めているとは言いにくい。
 19年の市内からの転出者は、転入者を191人上回る「転出超過」。市がまとめたアンケートでは、回答した転出者2078人のうち、福岡県が340人で最多。続いて長崎市323人、九州外308人、大村市269人で、県外や近隣市への流出が目立つ。
 今月末に迫った市長選でも、人口減少対策は争点の一つ。現職の宮本明雄氏(72)は市長に就任した09年以降、「為(い=サービス)・職(しょく=雇用)・住(じゅう=住宅)」の充実による定住人口増加を目指してきた。
 その柱が、開発に規制が多い市街化調整区域内での土地利用の規制緩和。一定範囲で40戸以上の一戸建て住宅の建築を認める「40戸連たん制度」や、駅などの近くで住宅建築を可能とした「諫早版『小さな拠点』」を打ち出し、17~19年の3年間の住宅着工は計約2700戸に上る。
 これに対し、新人で元県議の大久保潔重(ゆきしげ)氏(54)は、市街化調整区域の撤廃を掲げ、若い世代が土地を買い求めやすい環境整備を主張。開発可能な市街化区域と市街化調整区域を線引きする長崎都市計画区域を見直し、県央独自の都市計画策定を掲げる。
 「県央は産業が発達し、交通の要衝。長崎県のエンジン役としてリードしていくためにも、今の時代に合った都市計画に変える」。このほか、空き店舗や古民家活用などによる移住促進も視野に入れる。
 「10年後の人口1万人増加」-。3人で唯一、数値目標を掲げたのは、新人で元国土交通省職員の山村健志(つよし)氏(47)。土地政策や都市計画の見直しの必要性を指摘した上で、同市で働く人の定住促進を確実に進める狙い。
 就労人口の増加に向けて、諫早駅周辺のオフィス街化や合併旧5町の支所などを活用した企業誘致も訴える。「コロナ禍をチャンスととらえ、企業の地方移転や移住を促進したい。人が集まり、活気が出てくれば、諫早に住みたい人が増えてくる」。その上で、未就学児の医療費無料化や医療・福祉の連携、女性が働きやすい環境づくりなどの政策を重層的に練り上げた。
 「調整区域を全廃すると、土地価格が変動し、土地を買い求めにくくなる」。宮本氏は段階的な土地規制の緩和策の成果を強調。大型商業施設の立地希望やソニー新工場の誘致成功を挙げ、「外から見ると魅力があり、この流れを積み重ね、自立できる都市にしたい」。