NBA3年目で初スタメンの渡辺雄太 悔しい結果も「エキシビット10」からの抜てきは大快挙

ピストンズ戦で初スタメンとなった渡辺雄太(ロイター=USA TODAY Sports)

3日(日本時間4日)の米プロバスケットNBAでトロント・ラプターズの渡辺雄太(26)はホームでのデトロイト・ピストンズ戦で初のスタメン出場。10分37秒プレーして無得点、4リバウンド。試合は105―129で敗れた。

NBA3年目。通算55試合目で初めてスターティング5で名前をコールされてコートに立った。今シーズンもここまで21試合に出場しているものの、スタメンの重圧からか表情は硬く、前半はシュートを打つことなく、約7分の出場にとどまった。

再び出番が来たのは第3クオーター(Q)の開始から。ここではリバウンドを取るとそのままドリブルでコートを縦断して自らドライブに持ち込んだものの、最後にバランスを崩してシュートは入らず。2本のスリーポイントシュートも決められず、残り8分33秒でベンチに退いた。

ラプターズは新型コロナウイルス感染拡大防止規定によりパスカル・シアカム(26)、フレッド・バンブリード(26)ら選手5人加えてニック・ナース監督(53)と多くのスタッフがベンチに入れない緊急事態だった。

この日のピストンズ戦も本来は前日に行われるはずだったものが変更となってこの日になったという状況で巡ってきたチャンスは無得点。出場時間が、控え選手を含めても最も短かった(不出場の2人を除く)という結果は渡辺本人はもちろん、日本のファンにとっても悔しいものになった。

今シーズンは開幕のメンバーに残る保証のない「エキシビット10契約」でラプターズのキャンプに参加し、開幕前に「ツーウエー契約」に切り替わった。

コロナという特殊な事情があるにせよ、メンバーに残ることすら難しい「エキシビット10」だった選手がスタメンになるのは、それだけで大快挙。渡辺は持ち前の高い守備力や、チームメートがキャンプ後に「ユータと一緒にやりたい」と言った人間性が評価されて今の立場を勝ち取り、この日のスタメンにつながった。

ラプターズではこの日18得点だったクリス・ブーシェイ(28)が2018~19年シーズンにやはり「エキシビット10」→「ツーウエー契約」に切り替わって28試合に出場した前例があるが、平均6分弱のプレーで、スタメンはなし。

それが今シーズンは年棒675万ドル(約7億2200万円)でチームに欠かせない存在となっている。

ラプターズは4日(日本時間5日)は敵地でボストン・セルティックス戦。その後オールスター戦を挟んで後半戦が始まる。渡辺は、この日の悔しさを糧にして、さらに飛躍してほしいものだ。

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